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[コメント] ハリーとトント(1974/米)

いずれは崩れ去ることが分かっていても、それでも作らずにはいられない。海辺で砂の城を作る少女の指先は、きっとそう語るだろう。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こよなく愛した土地に自分の居場所を失い、家族の絆も時と共に疎になっていく。かつての愛人の記憶にはもう自分はいない。そして、最愛の友ともいずれは別れが待っている。時の流れの中では全てはうつろいゆく・・・・。

トントの死に旅を終え、息子と共に安住の地で落ち着こうとするハリー。でもそんな彼の前を横切る一匹の猫。結局かけがえのないものなんて存在しないのかもしれない。世の中第二、第三のトントはカタチを変えてやってくるものだ。でも、だからこそ、気付けばそれを追いかけていたりする。死を前にしながらも、ロード・ムービーは終わらない。素晴らしき哉、人生。

老境のハリーと新トントを包み込む、この上なく優しい夕陽に★5つ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)りかちゅ[*] ルッコラ いくけん[*] 水那岐[*]

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