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[コメント] レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ(1976/米)

「おかみさ〜ん。これ、ライブのビデオじゃないっすよぉ〜。」
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







というわけで、黙って観ていると、いったいどんな映画が始まるのかと心配するが、ジョン・ポール・ジョンズの「トモロウ、トモロウ、トモロウ...」で、しかも、なぜかリハーサルなしに、やっとそれらしきモノが始まる。 実は、私のほとんどトラウマと言っていい、「ロックン・ロール」のオープニングのオカズ...。 kazちゃん、なぜにひきつるんだ。 そうか、左手だ、君の軟弱な左手だ!

レッド・ツェッペリンの天才ドラマーとして知られるジョン・ボーナム。 シングルのバスドラムながら、その足技がすごすぎて、ジミ・ヘンが、”ラビット・フット”と呼んだらしい。 実は、ジョン・ボーナムも、流行のダブル・バスドラムにしたくて、一応スタジオに持って行ったのだが、ジョン・ポール・ジョンズと、ロバート・プラントが”そんなものお前には必要ない!”といって隠してしまったとか。 死んで何十年も経つのに、いまだに、ドラムの雑誌などで、名前が出ないことってまずない。 いろんな意味で、雲の上の人。

わんさか売られている海賊ビデオのほかには、ツェッペリンの映像は、これしかないみたいで、本当に貴重なものだと思う。 とにかくこれで、初めてラディックのビスタライト(シェルが透明なの)というドラムを見たし、ハイハットのトップにかわいいタンバリンを取り付けているのも見た。 ハイハット用のシンバルは、ちょっと変わっていて、ボトムのシンバルのエッジが波打っているパイステの”サウンドエッジ”とよばれるものだ。 これは、よく目をこらさないと見えないけど、たしかに光の加減でシンバルのエッジがフレアになっているのが時々見える。 この人は、シンバルもとても大切にしていて、一緒にお風呂に入って洗ってやるのだという。

ジョン・ボーナムが愛用していたスネアドラムは、70年代ラディックのLM402(メタルスネアで、胴の深さが6.5インチ)のスープラフォニック(これは、スネアドラムの響き線を取り付ける装置が内面あたり用の仕様をさす)。 今も量産されていて、多くのドラマーが使っている。 ラディックの、コロンとした、明るい音色が私も好きだ。

問題は、フット・ペダルだ。彼は、ラディックの定番”スピード・キング”で、あの強力な足技を繰出していたという。 70年代の”スピード・キング”は、最も出来が良かったと言われているようなので、私もひとつ入手して使ってみた。 残念だが、相性が悪かった(爆)。

ところで、映画の中で、ジョン・ボーナムの息子のジェイソン・ボーナム(お母さん似)が、登場する。 彼は、成長してやはり、同じくドラマーになった。彼のバンドはぜんぜん聴いたことがないが、なぜか、教則ビデオは持っている。 ジェイソンはダブル・バスドラムのセットを使っているのだが、そのビデオの中で、こんなふうに言う。 ”ごらんのとおり、僕は、ダブル・バスドラムを使うんだ。だって、父さんみたいに速く足が動かないんだもん”。 同じ台詞を、今は亡き、コージー・パウエルも言ったとか。

ボーナム先生、一度も完全にコピーできたことがなくてすみません...。

(評価:★5)

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