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[コメント] きょうのできごと(2003/日)

苛着く。 2004年4月18日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恐らく行定勲は、この感覚を目指して作って、その通りに出来たから満足なんだろうし、コレが合う人は満足なんだろう。俺は、予告編で嫌な予感しかしなかったんだけど、それでも「行定勲だし」とか「今月他に見たいのないし」と言う感じで、何と無く見に行ったんだけど・・・予告どおりの出来でがっかり。

話自体はそこまで嫌いじゃない。日常的な非日常を淡々と描く群像劇。悪くないではないですか。『マグノリア』だって好きだし『フル・フロンタル』だって好きな僕には、もしかすると合うかも、と言う感じじゃないですか(結果的には合わなかったけど)。

回想の入れ方とかメチャクチャで、話があっちにこっちに飛びで、「あっ、ここで繋がっていたのか」と言う群像劇特有の爽快感を生み出そうとする余り、物語の進行途中に、強引に長い回想を挿入して時間軸を説明する、と言う感じに脚本が多少破綻していたのはまだ許そう。

だけど、正直言って、人物に殆ど魅力を感じられない。特に、妻夫木の役柄なんて何だあれは!あんな奴本当に居るのか?それ以上に、物語を見ていく内に判明する「妻夫木=映画を目指している」と言う事実があるのですが、どうして映画をマジに目指している奴がこんな所でタラタラこんな安っぽい娼婦みたいな女ドモと戯れているんでしょうか?いや、「今日の出来事」って言うくらいだから、この日しか描いてないのだから分からんけど、こいつはどーせ仲間とタラタラつるんで、何もせずに願望ばっかり語るタイプだろ?俺みたいな!(ぉぃ

でも、それ以上にこの映画に出てくる恋愛模様も何だかムカついてくる。アホばっかじゃん。いや、それが行定勲に見える日常である、と言うのならそれはそれで俺は構わないよ。「日常の非日常を淡々と描く」と言うコンセプトは良いし、それを描けば、こういう形になるのだろう。俺も所詮こんなもんだろう、と思うし。。。

でも、アホがギャーギャー騒いでるだけの日常なら、映画で見る価値があるのか疑問を感じる。バカ女がスカートがどうのこうの、三国志がどうのこうのと、かわいいだの、ホントっぽく嘘っぽく言ってても、例えそれが本人達や行定勲にとって楽しい日常でも、第三者から見れば不愉快な時だってあるんだよ。それを「他愛ない会話」と呼ぶか、ウザイ、と呼ぶか。日常の非日常を切り取った「きょうのできごと」を映画にするのなら、プロットもそうだけど、それ以上に人物を魅力的に描くべきじゃないだろうか?

極端だけど、電車の中で大声で電話してる人の汚い会話を聞かされて、アンタは満足ですか?>製作者

ま、俺に合わなかった、てだけなんだろうけどね。

話としては面白いと思うし、こういう作品も好きなんだけど、それ以上に、どれだけ物語が面白くても、物語を語る登場人物に魅力を感じれなければ興醒めするだけ。

池脇千鶴とその彼氏の動物園デートは冗長な上に、回想シーンを物語の進行途中に強引な形で挿入するので、物語が完全に停滞していて、映画のバランスを崩していたが、個人的にはあのシーンは好きだ。そして、映画を池脇千鶴の一言で終わらせたのもベストだと思う。

いや、俺も理由は”うまく言われへんけど・・・”、池脇千鶴がヒステリックで男が弱弱しい事をに苛立っていても、それでも好き、という感情が伝わってくる良いラストだったと、一人納得して劇場を去るのでありました。上手く言われへんけど。

それから関西弁だけど、序盤は違和感感じまくりだった。どうしてだろう。俺は関西弁なんて喋れやしないので良く分からないけど、この映画の関西弁ってどうも嘘っぽく見えた。特に、しつこいけどあの女二人(田中麗奈と誰か)なんか特に納得いかなかったなぁ。その納得行かない言葉で延々と訳の分からん戯言をダラダラ喋るので(以下略)

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)林田乃丞[*] トシ セント[*] sawa:38[*] ことは[*] けにろん[*]

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