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[コメント] 御法度(1999/日)

傑作だと思う。松田龍平の演技の拙さについては、僕はほとんど気にならない。彼が時折見せる悪戯っぽい笑顔、あれさえあれば充分なんじゃないか。そのケがないはずのトミーズ雅が龍平の笑顔を見て一瞬クラッとする、あのやり取りなんか最高だ。
太陽と戦慄

そもそもこの松田龍平の存在が謎めいていて、終始何を考えてるのか分からないし、内面というものが読み取れない。勿論大島渚は狙ってそういうふうに描いているはず。この役柄に演技力など、ハナから必要ないのだ。

どこか幻想的で、現実の世界じゃないような雰囲気が漂う終盤のシークエンスが素晴らしい。結果的に、その後新作を撮ることがなかったのは残念だが、本作は大島の執念が美しい映像として結実している。素晴らしい遺作だと思う。

(評価:★5)

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