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[コメント] テルマ&ルイーズ(1991/米)

DRIVE FOR HERSELF.
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







★4.5

鳥肌が立った。ラストの一瞬に。

オープンカーで荒野を爆走する疾走感!これに限る。濛々と舞う砂埃、。自分の髪まで風になびいてきそうだ(いや、なびくほど長くはないんだが)。実にアメリカ的な映画だと思う。私が言う筋合いではないが、監督はよくアメリカを理解している気がした。

ストーリーを知らずに見たので、序盤の射殺にはうっそーーォォォッ!だった。これは後が期待できるな、とも思った。

良識を疑われそうだが、殺人も強盗も暴行も、全てが「楽しく」「爽快」なのだ。ラストにしたって、現実だったら相当に悲劇的な行為のはずだ。ところが極めてオプティミスティックなのである。車ごと断崖から飛び出したその後、彼女たちはまたまた運良く逃げ果せたのではないかと想像できてしまう。

「こんなに目覚めている感じ、生まれて初めて」とテルマは言う。死ぬか、生きて終身刑になるかという文字通り崖っぷちの状況に突入して、恐らく彼女たちははじめて《生きている》感覚を味わったのではないだろうか。それは戦争映画に出てきそうな《生きている》感覚とはまた異なった、充実感のようなものだ。語弊があるかもしれないが、達成感と表現してもいいような気がする。逃避行などという非日常的なレベルに達しなければ、決して体験できなかったであろう「自分」。特にテルマは時間の経過と共に、逞しい女へと大変身で見ていてとても痛快だった。自分を変えるというロードムーヴィーの極端な一形態・・・だったのかも。

彼女たちがしばしば放つ奇声が羨ましいと思えなくもない。

そして2人が握り合った手の力強さ。

(評価:★4)

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