[コメント] 遠い空の向こうに(1999/米)
空に飛んでいくロケットの軌跡のように、真直ぐ、真直ぐな映画。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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1950年代という古き良き時代背景も手伝って、登場人物全てが真直ぐな心を持って描かれています。主人公や父はもとより、やる気もなかったのに結局手伝っちゃう友人たちが微笑ましい。みんな色々な問題を抱えながらも、全てにおいて懸命に楽しんでいます。
そして父が事故に遭った時に「泣かない」と言い切る母。彼女もこの映画の中で、しっかりと「生きて」います。「お前は変なやつだよ」と言われて笑うクエンティンも然り。たった一言の憎まれ口の中に、本当の優しさが詰まっている気がして、大好きなセリフです。
また父子の関係の描写が絶妙。父は息子を常に心配し、息子は父をいつも尊敬している。なのにいつも噛み合わない。現実の父と子の関係の多くが孕んでいる難しさですよね。
全ての人間関係、そして努力が、一定の力を持つことができなくなった現在では、すでにこの映画の中の「人々」が夢物語になりつつあるのかも知れません。
爆竹でコーラの空き缶を打ち上げた子供時代、もう一歩踏み込んでおけば良かったなぁ。
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