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[コメント] ボーン・スプレマシー(2004/米=独)

参りました!先生!
dappene

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭から手持ちカメラ&こま切れ編集の連続で疾走感と臨場感は抜群。状況を最小限のセリフとシーンで説明しつつ、迫力とセンス溢れる映像にしており、めまぐるしく変わる画面が苦手な人には不向きだが、そうでない私には魅力的な序章。

そして多少の場面やエピソードをはさんで問題のシーンへ・・・

自分を追っている人間の名前だけをたよりに、その人物へのアプローチを開始するボーン。泥臭い手法と洗練された手はずでターゲットの居場所を割り出すもコンタクトはとらない。圧倒的に優位な状況の確保を試み、それが実現した段階でやっと電話。

そう、スコープで標準をつけながらの電話のシーンだ。

最終的に一方的な要求を突きつけ、軽い脅しの煙幕まではって一気に後退するが、あの一連のシーンにはボーンの「能力」「手順」「脅威」「速度」「懊悩」「慈愛」といったエッセンスがすべて表現されており、ここまで後手に回っていたボーンが一気に「本気」になり、主導権を握りだすという様を見事に描ききっている。

そして、その巧みな編集に裏打ちされた「映像表現」、斬新なカメラワークにより醸成される「臨場感」、実際はアナログながらデジタルなスマートさを感じさせるボーンの諜報技術を彩るにふさわしい「音楽」、更にはほぼ完璧と言うべき「配役と演技」これらが一体となり、あの胸躍り心震える名シーンを形成している。

この作品と主人公の魅力が凝縮されている濃密な数分間をみた時点でこの映画の★★★★は決定的だったが、モスクワにおける盛り上げ方が実に実に実にうまい。

魅力的な敵役との圧倒的なアクションシーンは言うに及ばず、一連の「動」をさんざんみせつけたあとでの、あのひそやかなラスト。ただの会話なのにただならぬ緊迫感。張り詰めた中で垣間みせた人間愛。客観的にはぶざまだが、鑑賞者目線ではシブイと思わせてしまう爽快な最後が追加の★に太鼓判を押す。

えっ!このラストシーンはモスクワじゃないって?まぁ、あれはアルティメイタムへの引っ張り用であって真のラストはモスクワにありっていうことでご勘弁を!それにしてもグリーングラスさん!本日よりグリーングラス先生と呼ばさせていただきます。 本当に参りました。

※アルティメイタムの予習に観た本作でしたが、この作品を予習扱いして本当に失礼しました。劇場で再鑑賞したいなぁ。ちなみに明日アルティメイタム観てきます!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)カルヤ[*] おーい粗茶[*] けにろん[*]

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