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[コメント] アリ(2001/米)

アリの生き方にはパワーとカリスマ性を感じる。今の時代にも自分を貫き、立ち向かって行くアリのような存在が必要だと思う。
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 モハメド・アリ。自分は彼についての知識はあまりなかったが、この映画を見てモハメド・アリという人物の生き方を素直に格好良いと感じたし、彼の存在がカリスマ的に称されているのも理解できた。国家を敵に回してまで自分の信念を貫き通す姿を見て、こういう存在の人間は現在にはいないと思った。しかし、1人目の妻には自分の信仰を強要するあまり逃げられてしまう。キンシャサのマッチの前には2人目の妻を捨て、別の女と関係を持つ。確かに女性関係から見たら彼は理想の男とは言えない。この映画ではそういった欠点も描写されていて、決してアリの存在を称え賞するだけではなく、人間としてのアリをしっかり見せてくれた。どんな佳境に立たされても自分自身をしっかり持ち続け、諦めないで挑戦し続けるアリの姿は印象的だ。

 この映画はアリを1人の人間として描写したわけだが、説明が不十分に思われるシーンもあった。アリについてを直接的に説明した描写はなく、映画の流れの中に含む形でしか描かない。ストーリーを展開させる上で省いて簡素化したと思われる部分もあった。この描写を見るとアリを深く知れば知るほどより楽しめそうに思えた。自分はアリについて詳しくないので、わかりづらい部分も実際あったが、先述した通りアリの生き方にパワーを感じ、2時間37分見応えを感じて見ることが出来た。1人の男の叙情詩としてかなり見応えがある。

 監督はマイケル・マンだが、非常に彼に作品らしい。テーマ自体も熱い男を描くのが得意な彼にはぴったりの題材だし、スタイルも前作『インサイダー』からの流れを受け継いだものだ。今回特筆すべき点はカメラワークだ。ボクシングマッチの際のカメラワークにはとことん拘りが見える。様々な角度からマッチを撮影。実際の試合以上に臨場感がある。これは映画だからこそ出来る技だ。長い時間を使っても魅せ切る力のシーンだ。それにこれらのシーンを撮影するに当たっての努力を聞くと、その甲斐が本当にあったと思う。

 アリを演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされたウィル・スミスの熱演も驚き。黒人俳優としての自分から見た格はかなり低い彼なのだが、今回は素晴らしいほどの熱演。彼はおそらくこれほどの演技を見せることは絶対にないだろう。役に望むに当たっての苦労が報われている。本気の肉体改造、ボクシングのトレーニング、アリになりきるための研究、代役なしでのファイトシーン、と時間をかけて作ってきた役だけはある。また、この映画でアカデミー助演男優賞にノミネートされたジョン・ボイドだが、彼に関しては不満。外見が想像も出来ない変身ぶりではあるが、それだけであって別に演技として見たら普段通りである。わざわざ彼が変身しなくても・・・といった感が残った。

 最後に、自分は本当に何も知らない人的発言をしますが、「イノキ、ボンバイエ」って元はと言えば、「アリ ボンバイエ」だったんですね・・・。初めて知りました。

(評価:★4)

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