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[コメント] ギフト(2000/米)

土曜ワイド劇場ばりの内容を、ここまで高い完成度に仕上げたケイト・ブランシェットサム・ライミ監督に敬意を示し.....
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いやぁ。まったくもって、素晴らしい。

内容は、ほんと良くあるパターンで、出演者のカラーから容易に結果は読めてしまうのだが、それを感じさせずに最後まで見させてもらいました。

いや、全くもってすばらしい!

ちょっとマニアックな話ですが『ガラスの仮面』(美内すずえさまの超熱血演劇漫画)で、以下のようなシーンがあったのです。 演技学校で教師の与えるテーマに沿って演技をするというカラキュラムで、教師が 「笑う!」 というと、他の生徒はゲラゲラ笑うのに対し、主人公北島マヤは微笑んだ。 「くぎを踏んづけた!」 というと、他の生徒は一同に痛がるのに、マヤはかかとを上げ、それを覗き込んだのだった。 教師は、彼女がやる気がないと叱るのだが、影で見ていた月影千草は知っていたのだ。

「演技とは、過剰にするものではない。必要最低限の動きで、的確に相手に伝える事も大切なのだと」(注意:このままの台詞ではないです。) くぎを踏む=足に刺さるのではない、彼女はくぎを踏んだ事で足に違和感を覚えて覗き込んだのだ。

ケイトの演技は、まさに架空の人物北島マヤそのものだった。

過剰なまでの母性愛、過剰なまでの狂気、優しさ、恐怖がなく、すべての演技を押さえ気味に、的確に演じていた。おかげで、その瞳の奥から伝わる恐怖がびんびんと心に響いて、夜鑑賞していた私は、電気を明かし、眠る事が出来なくなってしまったのだ。

脚本がありきたりで、大掛かりなサスペンスを期待して観た方には、非情に残念な結果が待っているかもしれないが、脇キャストも頑張っているのでその点を評価して欲しい。

今回は行き過ぎすれすれだったが、個人的には大きく買っているジョバンニ・リビージ、髭で表情を隠すというのが功を奏したキアヌ・リーブス、ビッチなヒラリー・スワンク、はまり役のグレッグ・キニア、何といってもウィンクが素敵だったマイケル・ジェター。ごちそうさまでした。

(評価:★5)

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