[コメント] ギフト(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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いやぁ。まったくもって、素晴らしい。
内容は、ほんと良くあるパターンで、出演者のカラーから容易に結果は読めてしまうのだが、それを感じさせずに最後まで見させてもらいました。
いや、全くもってすばらしい!
ちょっとマニアックな話ですが『ガラスの仮面』(美内すずえさまの超熱血演劇漫画)で、以下のようなシーンがあったのです。 演技学校で教師の与えるテーマに沿って演技をするというカラキュラムで、教師が 「笑う!」 というと、他の生徒はゲラゲラ笑うのに対し、主人公北島マヤは微笑んだ。 「くぎを踏んづけた!」 というと、他の生徒は一同に痛がるのに、マヤはかかとを上げ、それを覗き込んだのだった。 教師は、彼女がやる気がないと叱るのだが、影で見ていた月影千草は知っていたのだ。
「演技とは、過剰にするものではない。必要最低限の動きで、的確に相手に伝える事も大切なのだと」(注意:このままの台詞ではないです。) くぎを踏む=足に刺さるのではない、彼女はくぎを踏んだ事で足に違和感を覚えて覗き込んだのだ。
ケイトの演技は、まさに架空の人物北島マヤそのものだった。
過剰なまでの母性愛、過剰なまでの狂気、優しさ、恐怖がなく、すべての演技を押さえ気味に、的確に演じていた。おかげで、その瞳の奥から伝わる恐怖がびんびんと心に響いて、夜鑑賞していた私は、電気を明かし、眠る事が出来なくなってしまったのだ。
脚本がありきたりで、大掛かりなサスペンスを期待して観た方には、非情に残念な結果が待っているかもしれないが、脇キャストも頑張っているのでその点を評価して欲しい。
今回は行き過ぎすれすれだったが、個人的には大きく買っているジョバンニ・リビージ、髭で表情を隠すというのが功を奏したキアヌ・リーブス、ビッチなヒラリー・スワンク、はまり役のグレッグ・キニア、何といってもウィンクが素敵だったマイケル・ジェター。ごちそうさまでした。
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