もの凄いクズ男で暴力夫でも「生きる価値はある」と監督は言う。 夫を憎んでいるけど愛している女は哀れではあるが「ソレが彼女の生き方なのだ」とも。 幼い頃の心の傷から病を得た男の純な愛情、それを「美しい」と讃えてみせる。 その人たちの心を慰め、救うために天から贈られた（としか言いようがない）『ザ・ギフト』（or『シャイニング』）を持つ女。

濃厚なアメリカ南部の風土をバックに人間の悲しみ、憎しみ、愛情が堂々と語られてゆく。 「そうだよ、現代に必要なのはこんな優しい物語なんだよ！」と目からウロコが落ちてハラハラと感動の涙を流す。

人が人を思う気持ち。 そこには果てもない暗闇が横たわる事があるが、美しく限りある命だからこそ得られる「永遠に光り輝くモノもある」と監督は説得してくる。

この監督の崇高な姿勢に敬意を表して☆=5

こんな事を今の時代に正面切って堂々と言ってくれる人を待っていたから、なればこそ。