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[コメント] 散歩する侵略者(2017/日)

金魚すくい。金魚の水袋を持った女子高生の後ろ姿。赤色のイメージの連鎖。戸建ての家の植木が風で揺れる。この冒頭のホラーテイストいいですね。本作の恒松祐里、出色の出来でしょう。
ゑぎ

 やっぱり、恒松のアクション、特に、児嶋一哉とのファイトシーンが一番印象に残るのだ(他にもマシンガンをぶっ放す場面もあるが)。これって、映画として成功といえるのか、とも思ってしまう。あと恒松では、高杉真宙と二人で「だっせー」と云う場面があるが、出来上がったアンテナが、確かにダサくて笑ってしまった。

 また、教会の讃美歌は「いつくしみ深き友なるイェス」と「主われを愛す」という初心者向け(というと申し訳ないが)定番だが、出て来た牧師は東出昌大。この人、何もしなくても(愛について語るけど)、やっぱり気持ちが悪いのだ。

 しかし、長澤まさみ長谷川博己が、途中から(いや始めからか)微妙な立ち位置にいる描き方は面白いと思う。私たち観客も、どちらかと云えば人類(というか笹野高史たち)が悪役に思えて来る。終盤の、ラブホでの長澤と松田龍平のシーンも、私はとても切なく、いじらしく感じる。

 ただし、来襲の場面はこんなミニマムな造型でもOKと思ったのだが、エピローグは蛇足に感じる。明らかに、世界観が(さらに)矮小化されてしまった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ロープブレーク[*] ぽんしゅう[*] DSCH

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