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[コメント] ブレードランナー 2049(2017/米=英=カナダ)

オープニング、閉じた瞼が開く。エメラルドグリーンの瞳。虹彩。続く太陽光発電のパネルの壮観。このカットから心つかまれた。
ゑぎ

 サッパーが「お前たちは奇跡をみていない」と云う。前作のロイを思い出す。レイチェルの写真が映っただけで、涙が出そうになる。ショーン・ヤングが部屋の向こうから歩いてくるカットがフラッシュバックされるに至って、本当に胸締め付けられる。あゝこの肩のシルエット!という具合で私の感傷癖が思いっきりくすぐられる。偽物のレイチェルを出すのは、余計じゃないか。しかも酷い仕打ち。

 ジョイ=アナ・デ・アルマスの可愛らしさは、特筆すべきだが、あくまで男に都合の良い造型だ。矢張り、マダム=ロビン・ライトのユニセックスでスマートなキャラクタリゼーションと、ラヴ= シルヴィア・フークスの圧倒的な悪役としての強さを誉めるべきだろう。ラヴとのクライマックスの死闘は息詰まる。

 そして何はともあれ、ロジャー・ディーキンスの撮影。あと、重要なのは、多くのシーン導入部のライアン・ゴズリングのゆったりとした歩度(歩みののろさ)の演出。この緩慢さを許容する(いや愛でる)ことこそ重要だという認識。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ロープブレーク[*] Sigenoriyuki 袋のうさぎ DSCH[*]

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