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[コメント] ラスト・シューティスト(1976/米)

ハリウッドが生んだスターの中でもこれほど完璧な遺作を持つ人は空前絶後だろう。ジョン・ウェインの遺作としてこれ以上を望むのは無理であろうと思える作品だ。しかし同時にこの映画で西部劇は死んだ。ドン・シーゲルが西部劇を殺した。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「あなたはなぜこんなに戦ってきているのに負けたことがないのですか」

 「背中から打った者がいなかったからさ」

 最後にジョン・ウェインは背中から不意に撃たれる。ロン・ハワード青年が主人公の仇をとる。ロン・ハワードはピストルを投げ捨てる。まるで『ダーティ・ハリー』のラストのクリント・イーストウッドのように。それを見ていたジョン・ウェインは微笑みながらうなずき息を引き取る。この瞬間に西部劇は息絶えた。このウェインがうなずくカットは涙なしに見ることができない。もちろん諦念でいっぱいになるのだが、私はこのカットにある種の力強い希望も感じる。

(評価:★4)

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