[コメント] ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/米)
ここ数年のクローネンバーグは商業的にこなれた映画を撮れるようになった。まあ良い事なのだと思うけれど、フライあたりで出会った私としては少し違和感が。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストを観た私はこれは最近のライミ映画か?とちょっと頭を抱え込んでしまった。クローネンバーグが家族の価値を唱え共感を取りに行っているのを観て、そう感じざるを得なかった。
ラストに解釈の余地を残しているというのはつまり自分で持っている価値観を披露しなかったという事だと思う。私が様々なエンターテイメントを消費する理由の一つに他人の価値観を観たいというのがある。そうで無いものにも立派なものがあるというのは知っているが、私はそれをクローネンバーグに求めていない。
何故なら彼は自己の価値観を持ちホラー映画を作ってきた人物でなおかつ様々なテーマを持っている人間だから。
この映画はクローネンバーグにとって尤も商業的な映画作品であり、尤もクローネンバーグらしさが薄れた映画作品であると思う。私が好きなクローネンバーグ映画には"こんなもん解らねーよ"とか"全然共感出来ません"みたいなものと熱狂的な支持コメントが並んでいると思う。
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