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[コメント] リンダ リンダ リンダ(2005/日)

ブルハも知らないし、高校時代を「遠い青春」って言える歳ではまだないけど、彼女達の「青春」ってよくわかる。感慨深くなるほど遠くはないけど、もう味わえない。
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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高校生が熱くなるなんて、ほんとは三年間に一度あれば良い方だ。多数のコメンテータさんが言及されているように、若者ってほんとは「元気ハツラツ!」じゃない。自分の高校生活を思い出してみても「熱き青春」を送った記憶はほとんどない。『ウォーターボーイズ』や『スイングガールズ』がまともに直視できないのは、自分とのギャップが辛すぎるからだ。 でも彼女達を見てると、「青春」って別に何か特別なことに熱くならなくても、その時間、友達とただ一緒にいて、好きな子のウワサして、先生や親のグチを言って、「授業ダルイ」とか「テスト嫌だ」とか言ってたようなことも、立派な青春だったのかな、って今は思う。それはこれから二度と味わえない時間だから。

バンドの女の子4人とも素晴らしい。ただ、やはり男性の監督が作ったものだと思ったのは、香椎由宇の元彼が彼女を面白がって色々と世話を焼くシーン。バンドメンバー達はニヤニヤして覗き見したりしている。あのシーンはほんとの女の子達だったらああはならないと思う。女子っていうのは、良くも悪くも、恋愛話が大好きだから、ああいった場面ではもっと周りできゃーきゃー盛り上がるだろう。(その前に「元彼とはどーなのよ」みたいな話が大方されているはず)そして前田亜季も、「(片思いの彼に)好きって言った方がイイヨ。」と言われてすぐに電話をかけてアポを取る、といった素早く無駄の無い行動には出ないだろう。女子は「恋」というものに、おそろしく無駄で騒がしい時間を使いたがる生き物だから。(ベースの彼女のようなタイプの子は例外)

脇役の高校生達もいい。留年したギター少女の先輩も、バンドを抜けた二人の女の子も、文化祭実行委員の彼も、日本語の方が早いと思われる告白男子も、先生も。(先生のラストの笑顔がとても甲本ヒロトに見えた。先生はきっとブルハ世代なんだろうな)

ただ、主人公達はそのまんま男の子に置換えても成り立つ映画だ。男子のキャストでも上手く行く映画だとは思う。女の子ならではのシーンがひとつでも見たかったな。(06/12/19 DVD)

(評価:★5)

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