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[コメント] ローズ・イン・タイドランド(2005/カナダ=英)

これは少女の「悪夢」でもなく「覚めない夢」でもない。現実の中で完結した「夢のような事実」なのだ。
きわ

「不思議の国のアリス」を思わせるコピーやら序章で、てっきり少女の空想からファンタジーの世界が広がっていく話かと思いきや、いつまでたってもファンタジーなど現れない。それどころがえげつない現実ばかりが‘うさぎの穴‘のように底なしに深く深く続いていくだけである。これを彼女の妄想として片付けるでもなく、空想世界に逃がすわけでもない。ただ、根気よく一人遊びを続ける彼女に、あくまでも現実に事が起こり、現実に事が着地した。そんなぎりぎりのプロットで持たせたこの映画の要であり全ては、この少女(ジョデル・フェルランド)。観る価値は彼女だけだといってもいいくらいだと思う。魅力的で蠱惑的で子供らしい少女。その彼女にここまでの仕打ちをしてぎりぎりの所で成り立っているのは、監督と彼女自身による勝利だと思う。(06/7/19 劇場)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)HW[*] 狸の尻尾[*] 甘崎庵[*] ペペロンチーノ[*] 浅草12階の幽霊[*]

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