[コメント] 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ(2006/日)
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「『スナッチ』みたいなことがやりたい。」と磯山Pが言い出したことが全ての発端だと聞いたことがある(『スナッチ』だったかどうか記憶が少し怪しいが)。 それをクドカンが「野球を絡めればなんとかなるかも」と発想したことで始まったドラマ。 2002年のことである。 それは、斬新とか新鮮とかいう次元を超え“衝撃”だった。
正直、前作「日本シリーズ」は映画としての出来は悪かった。 しかし本作は違う。 もちろん、テレビや前作を観ていないと成立しない映画は、本来映画として評価すべきではない。それはただのファン感謝祭である。テレビスペシャルでも充分である。
だが、今までこの衝撃作に付き合ってきた者にとって、これほど素直に、心の底から、ブッさんそして「木更津キャッツアイ」に、「ばいばい」と言える映画に出会えたことは喜ばしい限りなのだ。
その奇抜なギャグと勢いばかりが着目されがちだが、このドラマの根底は「切なさ」だった。 本作は、その終焉に相応しく、まるでミットにボールが吸い込まれるように、物語がきれいに収束していく。
「敬遠するか否か。」 マウンド上での相談は、そのまま「大人になるということ」とイコールになっていく。 皆の言い分も、ブッさんの言い分もみんな正しい。栗山千明の言い分はもっと正しい。栗山千明サイコー! そしてブッさんの言い分が打ち砕かれた時、この物語は終わるのだ。 それでもブッさんらしく自分の負けを認めずに去っていく。「オーライ!オーライ!」と打球を追いながら。 感動的なシーンだ。 それだけでグッときた。
いや、それ以前に、冒頭「ジンロ!ジンロ!」でグッときたけどね。
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