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[コメント] エクソシスト・ビギニング(2004/米)

製作に関してかなりの紆余曲折があり、緊急公開ということもあって懸念しつつ鑑賞に望んだのですが...手堅い感じのホラー映画になっていると感じました。
kawa

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本作品は1997年ごろプロジェクトがスタートしたそうで、そのときはリーアム・ニーソン主演、ジョン・フランケンハイマー監督だったそうです。『ターミネーター2』のウィリアム・ウィッシャーが脚本を書いたのですが、怖くないということで没になり他の脚本家が脚本を改訂。

その後2002年7月にジョン・フランケンハイマー監督が急逝したため、リーアム・ニーソンも降板、新たにポール・シュレイダー監督、ステラン・スカルスガルド主演でプロジェクトを組みなおし撮影開始。2003年4月に、一応完成を見たそうです。...が、試写を行ったところ「まったく怖くない」という意見がでてしまい、編集のやり直しをすることが決定。結局上手く行かず新たな監督を抜擢して、全面的に撮り直すことにしたそうです。(この時点で予算は3000万ドルを超えていたそうです。)

白羽の矢が立ったレニー・ハーリン監督はメリン神父以外のキャラクターを全面的に書き直し撮影突入...。13週間で何とか撮り上げたそうです。(レニー・ハーリン監督版は製作費5000万ドルを計上したため、結局、当初の予算のおよそ倍掛かったそうです。)

こういった製作に関してのトラブルがありましたので、かなり覚悟して鑑賞したのですが...様々な紆余曲折を経た割には、手堅くまとまった良質のホラーに仕上がっていたような感じを受けました。ド派手なハーリン節は陰をひそめ、オーソドックスなゴア・シーン、ショック・シーンを、丹念に描くようにしていた感じで、重厚な絵作りも相まって最後まで緊張して見ることが出来ました。息の白さ、スパイダー・ウォークといった、1作目に対してのポイントもしっかり押さえられていたのでそのあたりはとても良かったと思いました。

ポール・シュレイダー監督版がどのような出来になっていたのか確かに気になるところではあるのですが、DVD化の際には両方のバージョンが収録されるという噂もありますのでちょっと楽しみな感じです。

(評価:★4)

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