なんとなく、『ニキータ』をベースに、日本の時代劇あるいは極道モノのテイストを加えたような映画だった。

　ストーリーは、悪くはないけど真新しさもない。多少は胸をつくものがあるかもしれないが、言ってしまえばありふれた展開なので、それほど心を揺さぶられない。

　また、主人公は確かに薄幸かもしれないが、その「修羅の道から逃れられない運命」というヤツの描き方が今一つ薄い。「なぜ人斬りは人斬りの道から逃れられないのか」という部分が描き足りないのだ。「人斬り」としての宿命を描く描き方に、もう少しオリジナルなプロットを用意すれば、最後の「悲劇」とも相まってより悲壮感が漂ってよかったように思う。

　アクションに関しては、個人的には日本刀をフェンシングよろしくふりまわす殺陣の形式はあんまし好きではないのだが、スピード感があったの楽しめた。詳しくはわからないが、カメラのカットとかが非常にうまいのだと思う。

　釈由美子に関しては、正直、これを見るまでは「天然系アイドル」ぐらいの印象しかなかったけど、いやなかなかどうして、いい表情をするし、いい声も出す。おみそれしました。今後にも期待できそう。

　っていうか、終わり方からすると、これはやはりシリーズ化するんだろうか？