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[コメント] 地球防衛軍(1957/日)

全編、大笑いの種が尽きまじ!ナンタッテ、プリーツ・プリーズ(デザインbyイッセイ・ミヤケ)を着込んだペンギンが地底から登場するところからその笑いは始まる!
ボイス母

あと、「食い倒れ」人形みたいなデザインのロケットとか、ドー見ても「頭に被っているのはダルマさんである」なミステリアン星人の宇宙服(?)とか、どんなに変装していてもソレと分かってしまう土屋嘉男とか、妙に日焼けしてて、「カイロプラティックの先生?」にしか見えない志村喬(しかも、スゴク投げやりでいい加減な演技で脱力している)とか。

「お笑いドコロ」&「ツッコミポイント」が満載の映画である。

で、しかも、そのストーリィたるや、 「進駐軍が占領しに来たとき、女は全員手込めにされて、男は全員去勢されるって噂があったけど、ソレは当事者にしてみれば余程オソロシイ出来事だったのね、本気にしたのね、トラウマだったのね」と感じたり、

「そうか、安保問題をSFに置き換えて表現するとこうなるのかー」と感心してみたり、

「当時の原水爆実験について日本人はどのように感じていたのか?」とか、

「アメリカに対する親近感と憎悪の感情」を感じてみたり・・・

いや、なんか、色々感じてしまう映画でした。 しかし、ヤッパリ、唐突に宇宙人が村に来てみたり、女を要求したり、唐突に一個人の脳内で作られた「オレサマデザイン」(つまり、当時の流行とか、先端と言ったことにまるで無頓着な「我流美意識」による)の圧倒的な威力に打ちのめされる。

当時、オトナはこの系統の映画を「アタマが悪くなるから見ちゃイケマセン!」と言っていたが、オトナになって改めて見てみると、「その言い分もワカル気がする」な。

何の説明も前置きもナシに、宇宙人がやってきて女を要求するんだから、コレは当時としては「荒唐無稽=アタマが悪くなる光線が出ている」映画と受け取られても仕方がなかったかも。

しかし、今見ると、前述の理由により(進駐軍・安保問題・原水爆実験)「当時の日本人の感覚がワカル」証言映画に見事になっている。

昭和30年代の平均的日本人のメンタリティがワカル映画。と言う意味で、貴重。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)ジェリー[*] たいへい すやすや[*] sawa:38[*] かける[*] 甘崎庵[*] 水那岐[*] ぱーこ[*]

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