★3 | 悪の教典(2012/日) | もっと軽快に!と劇中で自ら鼓舞しておきながら、「Mack The Knife」の力を借りても、いまひとつ殺戮に軽やかさが出ないのは、ハスミンの過去を語り過ぎたからだろう。エクスキューズは、安心を生むだけで「悪」の純度を薄めてしまう。得体の知れなさこそが魅力。 [review] | [投票(7)] |
★3 | 俳優 亀岡拓次(2015/日) | 枠に納まりきらない奔放さが持ち味の横浜聡子の窮屈そうな苦笑いが目に浮かぶ。印象的に語られる「用意周到でいながら直情的な行動が抑えられない女宇宙飛行士の矛盾」こそが、原作とオリジナリティの折り合いに腐心した横浜監督の本音の表出なのではないか。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は(2024/日) | 大九明子作品はユニークで楽しく観てきたのですが、毎回演出過剰なパートがあってそこは苦手でした。今回は互いに傷つけあう大学生の不器用な恋愛模様が描かれる訳ですが、監督の手による脚本はかなり勢い込んで脚色されているようで情報の多さに正直疲れました。
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★4 | 南瓜とマヨネーズ(2017/日) | 常識人からすれば思わず説教でもしたくなるズルズルの関係。それが何故か愛おしく見えてしまうのは、焦点が欠落した臼田あさみの目が醸し出すゆるい人相のたまもの。女に「打算」がないのだから「悲壮」など生じる分けもない。すると常識とは打算のことか。 [review] | [投票(3)] |
★4 | 桐島、部活やめるってよ(2012/日) | 全能とは憧れであり幻想だ。おそらく桐島の全能性も、周りの者たちが自身の不安や劣等感を紛らわすために、おのおのが勝手に理想男子の桐島に仮託した幻想にまみれていたのだろう。あやういパワーバランスに揺れながら自分を演じる日常。学校という牢獄の日々。 [review] | [投票(5)] |