★3 | 反逆のメロディー(1970/日) | 前世代の高倉健扮する渡世人は義理と人情の狭間でゆれるのだが、原田、地井、藤は経済ヤクザ化する親分衆と蛾次郎率いるギターを囲んで歌に興じる次世代間の価値のギャップに苦悩する。70年という時代を反映した迷走。原田芳雄の乱闘シーンは殺陣のようで美しい。 | [投票] |
★3 | 女王蜂(1977/日) | 展開や背景の人間模様の哀れさよりも、犯人隠しのために配置されたとしか思えない豪華出演陣のなかで、ひとり浮いているという点でどうせあんただろうとすぐに見破られしまう犯人役が哀れ。話しの展開も起伏に乏しく退屈で、どこにも女王も蜂も見当たらない。 | [投票(3)] |
★4 | 新宿アウトロー ぶっ飛ばせ(1970/日) | 脱プチブル・アウトロー原田によって、サソリ(成田)と死神(渡)の旧体制的しがらみに打ち込まれたクサビは、死神を組織から引き剥がし、個人V.S組織の構図を構築するものの、所詮行く末も身の置き所も定まらぬ「個」は社会の表層を浮遊物として漂うという寓話。 | [投票] |
★4 | 古都(1980/日) | 「山口百恵の映画」を撮るのではく、山口百恵を配した「映画」を撮るということ。古都の街並みで、祇園祭の神社で、北山杉の林で、千重子と苗子という二人の百恵が相対し醸し出す映画的魅力。そんな当然のことを実践するだけで女優を作り出す市川崑マジック。 | [投票(2)] |
★3 | 火の鳥(1978/日) | どう転んでも揺るぎようの無い名作「火の鳥」を、アニメーター出身の劇映画作家市川崑がどんなドラマに仕立て直すのかと期待したのに、完全トレースでは拍子抜け。貧相な実写とアニメの合成は痛々しく目を覆うばかり。チャレンジ精神にのみ3点。 | [投票(2)] |
★2 | ブルークリスマス(1978/日) | 着想のユニークさと展開の巧さは、さすが当時の視聴率王倉本聰。岡本喜八の演出も別段破綻なく、むしろ手堅いぐらいだが、全然面白くない。理由は、私の血の色は赤であり、その限りに置いて、私はいつまでたっても傍観者でいられるからだ。 [review] | [投票(4)] |