★4 | 七人の侍(1954/日) | 昭和29年。経済復興にエンジンがかかり始めた日本。必要だったのは貧しいながらも生産する者としての自信、そして武士道的プライド(あくまでも食うための、だけれど)。これは復興昂揚プロパガンダ・・・などと書くのが恥ずかしくなるぐらい面白いのです。
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★4 | EUREKA(2000/日) | 一度、止まってしまった振り子は、自らの力でふたたび動き出すことはない。日常がフリーズし時の流れが止まった者たちも同じ。そんななか、空回りという運動を続けていた沢井(役所広司)が恐る恐る開始した横移動が、ついには昇華し天へと飛翔する空撮は圧巻。 | [投票] |
★3 | ISOLA・多重人格少女(2000/日) | 『ひき逃げファミリー』でもそうだったが、水谷俊之監督は幻想描写でそれなりの手腕を見せる人のようだ。原作のモチーフをバッサリ切り捨てて、映像として良くまとめた方だと思う。この手のベストセラーの映画化はさぞや大変なのだろう。
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★3 | Shall we ダンス?(1995/日) | 話がさびしいのです。というか、みじめなんです・・・登場人物が、みんな。幸福ってこの程度のことなんでしょうか?この位でガマンしろってことでしょうか? | [投票(6)] |
★4 | パッチギ!(2004/日) | 溢れる破壊衝動と激しくも淡い異性への思いを抱えつつ、自らの動かしがたい境遇と社会の巨大な矛盾に気づき、思春期の少年たちは虚勢だけをたよりに日々を生きる。その全てが一気に昇華されていく河原の決闘シーンでは、共感と郷愁の涙が止まらなかった。 [review] | [投票(13)] |
★4 | 鬼火(1996/日) | 絶対的信念を持った男は、ちょっと自分には不相応な若く美しい女からも、見所のある飛ぶ鳥り落とす勢いの後輩の男からも、決して裏切られることはないはずだという世間一般のオッサン達の夢をしばし叶えてくれる珠玉の一作。あぁ、原田芳雄に成りてェー | [投票(1)] |
★5 | フリック(2004/日) | あまたの猟奇ミステリーがシナリオを練り高度な演出を駆使しながら、最後には猟奇性を現実の中の特異なものとして位置付けてしまうのに対して、本作は現実の中に真実を迷い込ませることで猟奇よりも恐ろしい猜疑という心の弱さの不気味さを描ききっている。 | [投票(2)] |
★3 | DOG STAR ドッグ・スター(2002/日) | 犬も歩けば死体に当たったあたりまでは、得意のプチ年代記に持ち込んで時空を縦横無尽に駆け巡るお犬様とお嬢ちゃんの不条理ラブロマンスに発展するかと期待するも、瀬々敬久にしては随分と毒気のないお上品なワンワン物語に終始する。いい子ぶるなよ! | [投票] |
★4 | ウィークエンド・シャッフル(1982/日) | 当時の怪優泉谷しげるさえ唯の狂言回しへと追いやる秋吉久美子、秋川リサ、池波志乃、渡辺えりこの淫靡かつ猥雑でシュールかつブラックな密室の狂宴がこの作品の全て。屋外エピソードのテンポの悪さとチープさも忘れさせてしまう。 | [投票] |
★5 | がんばっていきまっしょい(1998/日) | 青春とは何かのとりこになる無償の期間のことだ。陽光きらめくなか、波を切り進むポートのまばゆいシルエットは、不安に揺れるプチ家出少女の心を奪うには充分すぎる輝きを放っていた。70年代、田舎の県立高校の青春は確かにこうだった。不覚にも泣いてしまった。 | [投票(8)] |
★5 | ヴァイブレータ(2003/日) | 31年間溜め込んだ負の欲求を、手を延ばせば男の肌が届く密室の中で吐き出しつつ続く女の旅。心や態度が優しいのではなく、存在そのもが優しい男。それは優しさを求めながらも、拒み続けてきた者の苦悩の間隙に一瞬だけ感じるこができる優しさなのだろう。 [review] | [投票(6)] |
★3 | 秘密(1999/日) | 19歳の小娘に期待すべき芸などあるはずがないのだから、文字通り「肉体」そのものを主役に据えることで広末涼子のアイドルという才能を、さりげなくソフトエロス物語に仕立てた戦略が奏功。幻影としての「肉体」を演じた『鉄道員』と双璧をなす広末の代表作。 | [投票(1)] |
★3 | 光の雨(2001/日) | 所詮高橋伴明も立松和平も、ただその時代を共有したというだけで己にも非が有るかのような幻想に捕われ、そのペシミスティックな想い出を清算しようとせず共犯者面をしている限り語るべき物語は何も生まれないだろう。もっと素直な映画が観たかった。 | [投票(5)] |