★5 | 後の東映的任侠形式は未だ無い。故に鶴田は女を想って身をよじり、高倉は女に懇願し押し倒す。そこには様式美が確立される以前のリアルな「人間」が描かれる。東映の功罪の始まりでもあるが、ここでは「功」のみを賞賛すべき。 (sawa:38) | [投票(3)] |
★4 | ツボを押さえた大河小説のダイジェスト脚本と沢島忠の歯切れの良い語り口で鶴田 、高倉、佐久間の愛憎劇が過度の“情緒”を垂れ流す寸前に観客の関心を“物語”のその先の展開へ引き戻し、心地良い抒情と疾走感で「次回乞うご期待」と結ぶ連作大衆映画のお手本。 (ぽんしゅう) | [投票] |
★4 | 沢島の演出は旧態な小刻みなカット繋ぎの感情発露と長廻しの愁嘆場を錯綜させ緩急自在であり、任侠マターに準ずる男優陣の安定より佐久間良子のジャンル不定さも又好ましい。殺陣の見せ場は案外少ないが充分に黎明期の佳篇。 (けにろん) | [投票(3)] |
★3 | 任侠物に見えて、実はメロドラマ。鶴田×佐久間×高倉の三角関係に、男の義理や仁義が絡み合って盛り上がる、盛り上がる。この頃の佐久間良子は、本当に綺麗だなぁ。そら、取り合うわ。高倉健は、今と違ってアクティブな演技で、ちょっとビックリ。月形龍之介が、さすがの格好良さ。['06.8.21浅草名画座] (直人) | [投票(1)] |