★5 | 花火。揺れる暖簾。注がれるコップ酒。路地のゴミ箱。ポリボックス。明滅する「クラブ歯磨」なる奇妙なネオン。ネオンに現れ消えるポスター。小津の最高の瞬間はいつでも突然の剣呑さに溢れている。 (寒山拾得) | [投票(2)] |
★3 | 男は結ばれずして家父長の定めを引き受ける。見事な浪花節映画。坂本武・岡田嘉子・飯田蝶子がかもし出す男女間の、そして世の中とのしがらみのあやが、決して戻ることのできない子供らの無邪気さと対比され逃れることの出来ない哀愁が涙を誘う。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★4 | 悲惨な状況を明るく笑い飛ばす図太さも小津の真骨頂。やはり前半の野原の場面がいい。このような広い空間における人物のアクション繋ぎも小津のハードボイルド性を際立たせる。特に岡田嘉子が野原を横切って登場するカットのさりげなさにはもう唸ってしまった。まるで『孤独な場所で』のグロリア・グレアム登場カットのようだ。 (ゑぎ) | [投票(1)] |
★3 | 喜八ものですが、どうもすっきりしない作品。
(ぱんな) | [投票] |
★4 | 岡田嘉子という衝撃爆弾が仕掛けられた短調小津映画。坂本と突貫小僧の繰り広げる貧窮ストーリーは、それはそれで充足しているが、登場して一瞬で映画の価値観を転倒させるミューズはそうは見たこと無い。 (けにろん) | [投票(1)] |