★3 | 秀作が2本続いた黒木の遺作。終戦寸前、特攻隊が飛び立っていた鹿児島でのある人たちの日常。まさに平凡な人たちであるが故に国民の一人一人が戦争をどのような気持ちで捉えていたか、毎日をどのように過ごしていたか、 [review] (セント) | [投票] |
★5 | 戦時中だというのにただ淡々とした、無風状態のような一軒家の暮らしのなかに刻み込まれてゆく幸せと不幸せ。彼らのあいだに交わされることばは不器用で、どこか可笑しい。だが、その会話がやがてけだるく、翳りを漂わせるものに変質してゆくことを、すでに観客は知らされている。 [review] (水那岐) | [投票(5)] |
★4 | 『TOMMOROW 明日』では冷徹に、『美しい夏キリシマ』では詩情豊かに、『父と暮らせば』では優しく。晩年の黒木和雄はタッチを変えながら、何かにとり憑かれたように戦争映画を撮っていたが、遺作となった本作ではユーモラスに、そして小津安二郎のようなタッチで戦争を描く境地に達している。急逝が非常に残念。['07.2.24ギンレイホール] [review] (直人) | [投票(3)] |
★5 | 何十年に及ぶ日々を、あの数か月の彼奴があの人が残したものを心の中で反芻しながら生きてきたのだということを、永遠かとも思える無為な病院屋上の時間が反映画的故にこそ表すのだという黒木の達観と確信。その余りに慎ましやかな想いの美しさと気高さ。 (けにろん) | [投票(3)] |