★4 | 斎藤の腹も見せぬのだから、それもリアクションで処理して暗喩にとどめれば完璧だった。終盤は投げやりな逃げと思える展開だが、夫婦の軽妙な日常の底に沈殿する救い難い屈託が逆算照射されるラストショットの切ない詠嘆。その体言止めに打ちのめされる。 (けにろん) | [投票(6)] |
★3 | 団地は墓地に似ている。どちらもコンクリートで仕切られた区画に家族単位で納まる。そう考えると、無遠慮な干渉から逃れるように団地に身を寄せた主人公夫婦が漂わせる悲しみや、さらなる干渉が引き起こす乾いた笑いのその先に垣間見る決別と平穏にも得心がいく。 (ぽんしゅう) | [投票(5)] |
★4 | 筒井康隆『ヒノマル酒場』と双璧を成す大阪怪異譚。その類似点は何をおいても、世界を揺るがす大事件を自分のサイクルに組み込み、霞ませる庶民の言行の濃密さだ。ここに描かれる人間たちの非力さ、そしてそれを上回るふてぶてしさとマインドの強さは現実より連なるものであり、団地は何事が起ころうと揺るがぬ場とはいえ、その場を創りあげるのはやはり無遠慮でエネルギッシュな庶民なのだ。藤山直美の存在感は出色。 (水那岐) | [投票(2)] |
★4 | 初期の阪本を信望するファンとしてはここずっと煮え湯を飲まされてきた感もあったが、久しぶりのあの阪本が戻ってきた感はあります。 [review] (セント) | [投票(4)] |
★2 | 関西弁だから成り立つ作品。途中けっこうクスクス笑っちゃったけど、え、これ、そういう話だったの?別な意味でオドロキのラストはシュールというかとっぴというか。 (jollyjoker) | [投票] |