河野弘の映画ファンのコメント
WANDA/ワンダ(1970/米) |
行き場ない焦燥や出口ない孤独や耐え難い抑圧を吐露しフィルムに焼き付けることが彼女にとり救いとなったなら幸いだが、素晴らしいのは飽くまで客体化できる醒めた視線と低予算がもたらした即物的フォルムが獲得できている点。ラストの詠嘆は哀しくも厳しい。 (けにろん) | [投票(1)] | |
何者でもないし、何者かになる意思もない。すでに小娘でもない女ワンダ。同時代のアメリカンニューシネマの主人公のように体制から弾かれたわけではない。この女は何もしない。ただそこに存在し、流されているという自覚すらなく世の中を“流れている”だけだ。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(2)] |