★5 | 冒頭の、贋作についての講演会はスリリングで観客の目を釘付けにする。一番前のスタッフ席に遅れて来た女が座り、関係者と話をする。さらに遅れて来た彼女の息子が席に座わらず壁に立ち彼女を急き立てる。 [review] (セント) | [投票(2)] |
★5 | メランコリックな会話とほのかにユーモラスな演出とが渾然となった傑作。異質の空気をここまで一つにできる監督の才能に脱帽する。役者が演じる誰かが、さらに違う誰かに変わっていく二重虚構のサスペンスに幸福なとまどいを感じつつ、夫婦という関係にある者なら誰しもが思い当たる光景の普遍性に深い共感を抱く。 [review] (ジェリー) | [投票(2)] |
★3 | 原題の、「認証謄本」を意味する言葉を「正しい紛い物」という矛盾した意味へと読み換えていくような形式が見事、なのだが、嗚呼、やはりジュリエット・ビノシュ苦手だわ、と、徐々にウザさを増していく彼女に耐える約二時間でもある。 [review] (煽尼采) | [投票(1)] |
★4 | 円滑に進行しない会話のディスコミュニケーションが活劇となる不思議こそキアロスタミ・マジック。「虚実」と「会話」の主題が画像と音響の乱反射する凝りまくった文体で記される。ただし、ジャン=クロード・カリエールが登場する広場など数シーンを除けば、私が面白がるにはこの映画は複雑怪奇すぎる。 (3819695) | [投票(1)] |