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[あらすじ] 私は貝になりたい(1959/日)

「お父さんは二時間ほどしたら遠い遠いとこへ行ってしまいます。・・・生まれ変わっても人間にはなりたくありません。・・・どうしても生まれ変わらなければならないなら、私は貝になりたい・・・」戦争末期、床屋を営む清水豊松(フランキー堺)が召集される。ある日米軍機のパイロットが捕虜として連行され、部隊長は戦意高揚の為と称して、豊松に銃剣で捕虜を突き殺すよう命令をする。怯えながらも命令には絶対服従しなければならない豊松は目をつむり突進した。そして敗戦後、彼のところにMPがやってきた。罪状は「捕虜虐待」にて死刑。昭和33年に放送されたドラマとして生放送され、大反響を呼んだ作品を同スタッフで映画化。
sawa:38

この作品はTV草創期のドラマとして現在でも非常に高い評価を受けている。初放映時は90分の前半を当時では画期的なVTRで収録し、後半は当時の主流であった「生放送」で放映された。

現在、TBSが「ドラマのTBS」と自称する背景の原点が本作であり、現在でも本作をもって「ドラマのTBS」というTVマンが多い。

この作品、名作であるが故かトラブルが多く、数多くの裁判沙汰を起こしている。芸術祭への出品を念頭において企画された作品だったが、当初、中野某氏が口頭で作品の「原案」をTBSに持ち込んだ事実があり、著作権・共同脚本という件を巡って橋本忍とTBSが訴えられている。結局は訴えは却下されて、橋本忍の脚本という線で終結した。

また、近年でも加藤哲太郎氏の著作「遺言」と内容が酷似(本では「牡蠣になりたい」とある)しており、最近での公開ヴァージョンでは「原作」に加藤氏の名がテロップ表示されるようになった。

ちなみに「遺言」は加藤氏の自伝的作品であり、加藤氏本人は日本の再軍備を求めた米軍の恩赦により減刑されて後日釈放されている。

(評価:★5)

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このあらすじを気に入った人達 (6 人)RED DANCER づん 町田 死ぬまでシネマ さいた peacefullife

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