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エピキュリアンさんのコメント: 点数順

★4地に堕ちた愛(1984/仏)演劇的な性格で周りを巻き込んでしまうようなキャラって、芸術家とか経営者とかにいるけど(いわゆるカリスマ)、そういう人の支配的な側面と、俗物的な側面、小児的な側面などを、面白く戯画化している、って思った。J・バーキンのほとんど投げやりな存在感に惹かれるー。[投票]
★4ビッグ・トラブル(1986/米)ファレリー兄弟コーエン兄弟ってカサベテスの遺伝子を持ってるんだ、って思った。こういうほとんど不条理ドラマって、どういう系列なんだろう、って思ってたんだけど、もしかして、カサベテスとかが劇場から映画に翻案したのかな。人生は思い通りにならん、ということを楽しむ、大人のコメディだ![投票]
★4テープ(2001/米)たまたま『いまを生きる』の直後に見たので、あの二人がいきなり「ひさしぶり」ってのにのけぞった。脚本はものすごく良くできていて、DVカメラの小型性をよく活かしたリアルな撮影と演出も素晴らしい。これはアメリカに隔世遺伝したドグマ95か、って感じ。90分あればなんでも語れるのかな。[投票]
★4いまを生きる(1989/米)不自由な規律と魂の自由さ、という二律背反のドグマから永遠に逃れられない教育、っていうテーマはすごい退屈な展開を予想させたけど、デティールがとても良くできていて映画を救っていた気がした。若いE・ホークもR・S・レナードも良かった。R・ウイリアムズ苦手なんだけど、これは大丈夫だったな。[投票]
★4モーヴァン(2002/英)イギリス映画の虚無的な系列って感じかな。そのアンチドラマにはかなり食傷気味なんですが、これは、ちょっとなぜか面白かった。なんかミンゲラの『リプリー』とどこか底通するような普遍的は変身願望についてのおとぎ話って感じで飽きそうで飽きなかった、サマンサ・モートンの力は大きいけどね。[投票]
★4フォーリング・ダウン(1993/米=仏)マイケル・ダグラスって高血圧演技で、嫌いだったんだけど、この役柄には、それがぴったりはまっていて素晴らしかった。暴動を内側から描いたドラマとしても、ひとりのビジネスマンの転落を描いたドラマとしても、出色。エリック・ロメールの『獅子座』と異母兄弟のような映画だと思いました。[投票]
★4CQ(2001/伊=米=仏=ルクセンブルク)映画が生活だった環境で育ってしまった男が、そこから距離を置くためにどうしても撮らなくちゃいけなかった治療のような映画だった。虚構をつくる映画制作という現実と、実生活で見る夢との狭間で、ジタバタする様子はかなり普遍的かも。空港で父親に会うシーン、あのメガネ、実父から借りてきたのかな?(笑)[投票]
★4悦楽晩餐会 または誰と寝るかという重要な問題(1997/独)なんと言ってもキャラがいい。店のオーナー、映画監督とプロデューサ、美しく浅ましい女優、小児的な作家等々。そしてレストランRossiniのライティングの美しさ。やっぱり路面は濡れていなくちゃね(笑)。大人の小児性を愛情をもって描いていて好き。ドイツ映画を沢山見たくなります。しかし邦題、ひどい。[投票]
★4C階段(1985/仏)編集があざとくヌーベルバーグしている感じで、でも演出は演劇的な感じで古くさい。でも、テーマが普遍的で傲慢さと孤独と自尊心に振り回されるエゴの様子がリアルに胸にせまりました。ルノアールの使い方もよかったな。[投票]
★4HERO(2002/中国=香港)歴史ものは歴史に則った様式美で描く、という姿勢に敬服しました。絵巻物か漫画のような絵物語かわからないけど、子供にも分かるようにな絵解きで語られる物語は、その様式性のなかに個人の感情とか悲劇などを遙かに超えて動いてゆく時間というか歴史を感じさせる。[投票]
★4ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日)映画としてすごく良くできているし、J・トールの映像には胸に熱くなりました。植物や小道具に文句をつけるのは『アラビアのローレンス』でアラブ人のラクダの荷物の束ね方が違うというのと同じで、作品全体とは別の話だし。でも、武士道をあまりに不気味に美しく描き過ぎていることがどうして腑に落ちません。なんか、へん。[投票]
★4ビートニク(1999/米)以前アメリカの企業の研修に参加したときにかなり年配のアメリカ人講師に「キミはビートニクだっただろ」と言われた。いやヒッピーのちょっとあとの世代なので違うかも、と答えたんだけど、この映画をみたらビートニクというのはそれを通過した人それぞれの心象に存在するもんなんだと思った。俺はなんだろう・・。[投票]
★4WATARIDORI(2001/仏)なまの生と死に直面するとやはりいろいろ考えさせられる。というか普段はそういうものが見えない生活をしているので私にはとても貴重が作品でした。え?ストーリーが作為的?それはただ観る人を飽きさせないため分かりやすくしただけじゃないのかな。それがなくてもワンシーンごとにドラマはちゃんとあるんだけどねー。[投票]
★4ニックス・ムービー 水上の稲妻(1980/スウェーデン=独)まず感じたのは、映画って作品は国籍をもつけど、作っている側には、物理的な意味での国境はないのが自然かも、ってこと。うまく言えないけど、映像は、つねに知らない国、未知の出来事へと、人を誘いつづけるから。どこかの国から来た物語、カメラ、そして監督。映画は、そういうものの総合なんじゃないかな。映画だけで出会った二人の、なんて感動的なこと![投票]
★4ジア 裸のスーパーモデル(1998/米)これはTV用の作品なんですよね。だから、全体にちょっと編集が緩い。でも、それを除けば、アンジェリーナは渾身の演技だし、ドキュメンタリー風のカメラマンや身近なひとびとのインタビュー風の構成は、面白かった。どこにも行き場のない「内面」をもったために救いがない人生しか選べなかった悲しさが、とてもよく表現されていた。[投票]
★4リストマニア(1975/英)確信をもった悪ふざけ、というか、暴力的におもちゃにされる教養主義、というか・・・。それぞれの音楽に匂う音楽家の「体臭」を映像化するとこうなる、ってのを、全力でやってのけるパワーに脱帽。音楽監督はリック・ウェイクマン。UKのロックミュージックがクラシック音楽の暗い暴力性や欲望と、昔から親和性が高かった理由が分かった気がした。でも、どうして亀頭だけモザイクが入るの?それが一番猥褻だった(笑)。[投票]
★4ピンク・フラミンゴ(1972/米)フィルムに「狂っちゃっている状態」をきちんと写すには、ただカメラの前でホントに狂えばいい、って分けじゃないんだもんね。それをちゃんと分かってる人がつくったんだなー、と安心して、下半身と脳ミソを開放してしまえる傑作。そしてなによりキャスティングが素晴らしい。[投票]
★46IXTYNIN9 シックスティナイン(1999/タイ)わたしは、これは拍手を送りたい。後半なんとかエンターテイメントしようとストーリーと格闘している感じも、高温多湿世界の無益な人生みたいで、好きです。諸行無常。カフカが、もしタイに生まれていたら、こういうの書いたかな(笑)。端から見たらギャグだらけな悲劇の連続に、わたしは笑いながら、くらーい気持ちになる、という類いまれな快感を楽しんでいました。[投票]
★4美しさと哀しみと(1965/日)演出も画一的なところがあるし、編集は説明的ではあるけど、演技から透けて見える出演している者たちの生来もってる異形さが、すごくよく捉えられていて素晴らしい。八千草薫が鳥かごを・・・のシーンには、あたしゃ仰け反ったし、加賀まり子の多重人格ぶりには、物語りなんて忘れちゃうぐらい惹かれました。美しい珍獣の、フィルム動物園って感じです。[投票]
★424アワー・パーティ・ピープル(2002/英)UKったって、ロンドンだけじゃないぜ!。リバプールだけ特権化するなよ!。って世界にいっぱつカマしとけ!という当時のマンチェスターの(ひとりのエリート意識丸出しの男がいたのがたまたまそこだった)音楽シーンの動機と、この映画が制作された動機が相似形なのが、悲喜劇としてとっても上質。どっちも十分自覚的だったんだもんね。分かっていても制御できない我欲と芸術と性欲のくそ人生だぜい。[投票]