[コメント] アレックス(2002/仏)
前半はその不快さを言葉に出来ないほど酷い。あそこまで不快に感じさせる必要があったのか。それは最後まで観終わった時に理解出来た。ただ不快にさせよう、驚かせよう、というものではないのは確かだった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「時は全てを破壊する」というその言葉で始まり、その言葉で終わる。この映画は時間が逆行している為に、観客のわたしたちはアレックス(モニカ・ベルッチ)に何が起こったか、起ころうとしているのか、を知っている。だからラストに近づくにつれ、妊娠し、愛に溢れ、とても幸福そうなアレックスを見て、原題の「取り返しのつかない」という意味を知る。これからこの幸福なアレックスに何が起こるのか知っていながら、何も出来ないどうしようもないわたしたち。物語を逆行させて見せることで、「逆行は不可能、取り返しがつかない」という事を感覚的に、知的に表現してみせているのだと思う。そしてわたしたち自身、アレックスと同じ立場にいるんだという事も。
また最後にあの幸福なアレックスを見せられたことで、わたしの場合、前半の非常に不快な気持ちは薄らいでいた。これもまた正に「時は全てを破壊する」という意味でもある気がする。
アレックスが妊娠しているという事や、「2001年宇宙の旅」の胎児のポスターが登場するなど、胎児と暴力、誕生と破壊の対比もとても巧く表現されていると思った。
ただ、この映画に点数は付けられません。やっぱり生理的に前半の不快さは受けつけないので。
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