[コメント] 12人の優しい日本人(1991/日)
ステロタイプな人物設定が鼻につくと言えば鼻につくが、それは「日本人」というものを、「12人」の中に凝縮する必要を思うと納得できる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
幾つかの証拠を、巷に氾濫しているサスペンスものの如く「推理」に堕ちず、一見ベタベタな演出の中で、その実スマートに消化している。お見事。
一部に「陪審員制度礼賛映画」との批評もあるが、製作者の意図はいざ知らず、作品だけを見た場合、個人的に、そういう批評は的外れに感じる。現実の陪審員制度と同じく、衆愚や妥協に堕する危機は幾度も描かれているのだから。実際、作品の中で出た結論もどうかと思う。しかし冒頭での結論と結局は同じになったが、ラストは議論を尽くした結論であり、それは (陪審員制度がある) 法治国家における「上質な正義」なのだと思う。作品中も幾度か語られているが、「実際に何が起こったかは誰にも分からない」というのは、間違いなく真実なのだから。
ラスト、登場人物の幾人かが、相手に対して手の内を明かすシーンに微笑ましいものを感じた。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (6 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。