[コメント] 12人の優しい日本人(1991/日)
そう、私は偏見という奴にどこまでもどこまでも塗れている。私にはあなたの気持ちがよぉ〜くわかる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
その昔、とても綺麗な女性に惚れた。私は、彼女と目が触れ合うだけでショック死するんじゃないかと言う程、惚れた。恋焦がれて、告白した。
「あんたみたいなブサイクな男とつきあう女なんて、いるわけないじゃん。何考えてんの?」
その時の彼女の眼は、今でも忘れない。営業用に愛想を振り撒くときの天使のような眼をする人が、あんな眼を出来るのだということを知った。私は物体だったのだろう。モノを見るような眼をしていた。ただただ呆然とした。
心に穴が空いた。穴が。
私は女性が怖くなった。特に、綺麗な女性が。
それでも、私は立ち直った。あの女が馬鹿なだけだと。「俺の魅力がわかってないだけだ」と。その後、別の女性とちゃんと付き合った。「全然ブサイクじゃないじゃん」と言ってくれた。
だが、私はやっぱり怖いんじゃないかと思う。綺麗な女性が。近づいてはいけないんじゃないかと。また傷をつけられるのが怖い。そして、綺麗な女性を見ると、きっと性格悪いんじゃないかと、第一印象で決める。大抵決める。そして、接し方も卑屈になる。
この映画、序盤から中盤にかけては笑いながら鑑賞し、そして、ラストで私は硬直した。
自分を思い直し、笑えなかった。あのラスト。
私はどこまでも偏見に塗れている。そう痛感させられた。
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