夫と一緒に観に行きました。

正直、誰にも共感できませんでした。

しいて言えば、仕方がなかったこととはいえ、サクとアキに罪悪感を感じていた律子がちょっとかわいそうかなとは思った。それぐらい。

高校時代の二人の話も、感動できなかった。

以下、理由。

1）前半の、倒れる前のアキの言動にいちいち腹が立つ。 確かにアキはかわいい。アキを演じていた長澤まさみもめっちゃかわいいし、スタイルいいし、これをきっかけに『ロボコン』も観たいなーと思ったぐらい。 腹が立つのは、アキというキャラクター。 サクのバイクに強引に乗り込んで、後ろから手を回してくっついた時に「胸、あたってる？」なんて言ってみたり、ひとしきりしゃべった後、サクに「なんでついてきたんだよ」と言われ、いともあっさりと「サクとしゃべりたかったから」と言ってみたり。 一見、素直でカワイイ子、に見えるけれど、こういう言動は自分で「自分は、周りの人間にカワイイと思ってもらっている」と思っている人にしかできない言動だと思う。 このキャラクター、あくまで男性側から観たアイドル的な存在で描かれているんでしょうね。 女性から観て共感できるのは、等身大のヒロイン。だから、アキには共感できない。

2）婚姻届のシーンでちょっとひいた。 なんでここで婚姻届なの？こういう行動に至るまでの描写が不充分だからそう思ってしまったんかな。

3）空港へ行くシーン 白血病の患者さんの風邪ってのは、普通の人の風邪と同じように考えたらいけない。 確か、アキって空港に行く日、風邪ひいていたと思うんだけど。 あんな状態で、いくら本人がオーストラリアに行きたいと言っていたにしても、 連れ出すのは殺人行為ではないか？サクの行為はただの無謀にしか見えない。で、飛行機が欠航になって従業員にくってかかって、アキが倒れたら今度は「助けてください」→ふざけるなって思った。 サクの一連ののぼせあがった行為には、もちろん共感できない。

もし自分がアキのように瀕死の状態で彼に、嵐の中空港へ連れ出されても うれしくないし、婚姻届をみせられてもうれしくない。違う形で自分のことを考えて欲しいなって思う。

大人のサクと律子のシーンが蛇足という意見が多いが、私は（確かに映画の出来として大人シーンはいいかげんな部分が多かったような気もするが）、大人シーンがなく、こんな高校生の話だけだったら暴れたくなるところだ。ないよりマシ、と思っている。

こんだけボロクソ書いても★3の理由。 1）山崎努がいつもながらではあるが、いい味出していたこと。 2）釣り針でサクを釣ったオヤジが「バカが釣れた〜〜〜」って言っているシーンが気に入ったこと。 3）街の風景が気に入ったこと。 4）ダブルカセット、ウォークマン、渡辺美里の「君に会えて」懐かしかった。

ちなみに、一緒に観に行った夫も（2）（3）についてはだいたい私と同意見、 （1）についてはきっと私ならそう言うだろうと思っていたとのこと。 しかも夫は職場の女の子たちから「泣ける泣ける。一緒に観に行った彼氏もめっちゃ泣いていた」という感想を聞いてかなり期待していただけに残念がっていました。