そして(前回に引き続き)何より好ましいのは、正義を貫くにしても信念を貫き通すにしても、それには必ず何かしらの(自身や周りへの)犠牲や代償が伴うというのを、完成度の高いエンタメの枠の中で、ある程度立体的に描けているところ。加えてそれらの正義や信念が、決して大仰になり過ぎないところも良いと思う。

サエない主人公とある意味共感できる'弱さ'を持ったヒロインが、迷い悩んでさらに成長する姿を見ることができたし、今回は最終的には'悪役不在'、というか悪役になりきれない悪役ばかりであったことも面白かった。しかし(殊に後半)サービス満点な展開に「次作は大丈夫だろうか？」と心配にもなったけど、次回の(多分)影の主役があれほど悩める存在なら、面白さもある程度保証されている気もする。今から楽しみだ。

(2004/7/3)