[コメント] 戦争のはらわた(1977/独=英)
この邦題、センスのかけらもないように見えて、なかなかどうして核心を突いている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これは「戦争の悲惨さ」だとか「官僚軍人の非道」だとか、そういうもっともらしい反戦メッセージを込めた戦争映画ではない。これは、戦場でしか生きられない男(ジェームズ・コバーン)が、戦争をダシにしてる男(マクシミリアン・シェル)を、対等の立場にまで引きずり落として、個対個の、「はらわた」ぶちまけあった裸の戦いを挑むお話なのだ。国家同士、集団同士、階級同士の対立を超えた、「男」同士の「はらわた」対決。ペキンパーは戦場にまで「任侠」を持ち込みやがった。原題は「鉄十字章」だが、だからこの邦題はある意味で正しいのだ。充填しきった怒りのインジゲータを哄笑にしてぶっぱなすラストのヤケクソなカタルシスには、もう一緒に笑うしかない。なんだこりゃワッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!
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[021017] 池袋新文芸坐(『ワイルドバンチ』と2本立て)
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