確かに「やられたー」感はあるかもしれないけど、これはどちらかと言えばコントのオチみたい。なんでわざわざ死体になって６時間もじーっとしてなきゃいけないのかよくわからん。それこそ不条理(笑)。意外なラストに至るまでの伏線やらモロモロが理路整然としてないから、それこそ「シックスセンス」ばりのフラッシュバックが頭の中で起きないというのかな。

死を前にした理不尽な苦痛、苦悩を通して、生を軽視する奴らへの怒りを内に育む、という動機はストーリーを作る際の後付け的な言い訳っぽい。あまりにゲーム感覚が強過ぎて、全く鬼気迫った怒りは伝わってこない。冷静にトラップ作りに励んでは一人ほくそえんでいるだろうなぁ、みたいな姿勢に、「じーちゃんいくらなんでもイタヅラが過ぎるよう」と、苦笑まじりに肩でも叩いてやりたいです。

いろいろアイディアは満載だし、全体を通して飽きさせない作りになっているのは評価。『ＣＵＢＥ』ばりの不条理な滑り出しと、サイコサスペンスな刑事モノ、それとゲーム感覚の謎解きのミクスチャーものという印象。ということで、(映像も含めて)決して「新感覚」ではないと思う。そして何より個人的に不満なのは、誰もこちらの予想範囲外の「異常心理」に走らないということ。絶叫しておびえてうろたえてる割には、結構みんな思考や反応が意外にまとも、というか予想の範囲内。それがかえって嘘臭い。

(2005/4/2)