[コメント] 青いパパイヤの香り(1993/仏=ベトナム)
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いや、素晴らしい映画でした。普段は、こうゆう、静寂と美を淡々と見せる映画はだめなんすけどね。子役の娘が可愛らしかったからっつーんじゃなくて(珍しいな、おい)、なんか、こう、なんつーかさ、トテモ良かったのよ。←映画感想家らしい誉め方。
けど、10年後の彼女の感じは、ちょっと前半の人生からのつながりを感じなかったなぁ。大人の彼女の演技がちと嘘っぽく見えちゃって、ちょっと「うにゃ?」って。そこらへんが残念だったけど、それをもってしても余りある5点。お日様の下での炒め物が美味しそうで美味しそうで。青いパパイヤってどこにも売ってない(よね?)けど、あの食い方なら美味しそうだ。食ってみたい。先日、銀座に行ったとき、まともなベトナム料理の店に初めて入ったんだけど(と、言ってもランチだけど)、非常に美味しいサラダとフォーだった。ちなみにそこはプランタンの上「ベトナムアリス」。本当に美味しかったんで宣伝もしてみる。今度行った時は、メニューに注目したい。「青いパパイヤの千切り」なんては書いてないよね。
1951年、そして1961年。そして、それからのベトナムの歴史を思うと、最後の大きくなったお腹を擦りながらの朗読シーンなんかは「大丈夫なの?」と複雑な思いがする。そんな歴史の状況を意識させながらも、全くストーリーに政治物も絡めず、社会的な背景もなんもなく、淡々と歳を重ねていく辺り、なかなかに上手い。日本とベトナム。世界地図の上では同じアジアに類されているけど、その文化の違い感性の違いには、改めて驚きを感じる。音楽的には、今一つピンとこない文化圏でもあるが、戦後すぐにアメリカ1色に染まった日本と、フランス文化と独自の文化とアメリカ文化とが混ざったベトナム。文化は多種が混ざり合う事によって飛躍的に進歩するものだ、という持論がまた一つ、確信に近づいた瞬間でもあった。
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