[コメント] バットマン ビギンズ(2005/米)
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あぁ・・すっかり普通の映画になってしまった。今時の映画になってしまった。リアルな映画になってしまった。『スターウォーズ』の時がっかりしたファンは、こんな気持ちだったのかな。どんなにティム・バートンの『バットマン』が素晴らしかったか・・・。あのゴッサムシティーとバットマンの世界がすっかり消え去ってしまった事にしょんぼりしながら劇場を出た。
ティム・バートンvsノーラン (ジョエル・シュマッカーは置いておいて。)
ティム・バートンの『バットマン』は、どこかへんてこりんだった。悪役ジャック・ニコルソンやダニー・デビートがへんてこりんなのは当然なんだけれども、一番へんてこりんなのはバットマンだった。身体を鍛えて、武器を揃えて、自前のスーツを着て、悪を倒す。誰かに頼まれた訳でも無く、理由が無いのにそんな奇妙な事をやっているのだから。悪役の方がまだ理由が明確だった。バットマンの子供時代の事件がトラウマとなってという描写もあるけれども、それでは理由として弱かった。あんな事をやっているバットマンはどこか奇妙に映った。それでもやってしまうバットマンはアメコミものによく出てくる「cursed」(=呪われた。アメコミ物のキモだと勝手に思っている。)という言葉がぴったりだ。あのティム・バートンがバットマンを好きだったのは、そんな奇妙なヒーローだったからなのかも。でもだからこそ、バットマンが愛しかった。そんなへんてこりんなバットマンが好きだった。時々弱いし。
そして、『ビギンズ』。へんてこりんが無くなってしまったバットマン、ゴッサムシティー、バットモービル、バットスーツに魅力は無い。戦車になってしまったバットモービルに魅力は無いんですよう。あんなNYシティーみたいな街のビルの上に立たれても、全然萌えないんですよう!あのバットマンじゃ「nice jacket!」とか言っても全然良くないんですよう。それでも3点なのは、バットマンというものが好きだから。
要するに、ティム・バートンのが良すぎたんです。
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