[コメント] 酔いどれ天使(1948/日)
Drunken Angel ってハードロックのバンド名みたいですが、この映画の真田(志村)先生は本当にそんな感じのお人です。
急須に医療用アルコールを混入して飲んでいる先生といい、駆け込んで来た三船の粗暴さといい、時代劇だとスタイリッシュなのに、現代劇になるとアングルや構図も含めてワイルドになる。特に初期はセットよりロケが多かったからかもしれないが、それでも格好いいから不思議だ。
日常の活写にこだわる監督は、押井監督や宮崎監督がそうだが、積極的に食事のシーンを出す。一方でキューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』やスコセッシの『カジノ』などは、たらたらやられると嫌悪感を催すような“排泄”、例えば女性が紙で拭くシーンや、オッサンが痰を吐くシーンをさらりと盛り込んで鮮烈な印象を残す。
黒澤監督は、この映画で社会そのものの排泄をさらりと描いている。
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