[コメント] 野良犬(1949/日)
貧しく、渇き、喘いでいた戦後の日本。まるで野良犬のように。
黒澤映画でこれほど“風俗”(←アダルトの意味ではない)が描写されている映画は他にないのではないか。
そして黒澤の犯罪物は“社会が生み出した悪”という共通項があり、その動機・内容もまた時代を反映した社会性を帯びている。
貧しいが故に犯罪を犯した時代。『野良犬』(犯罪物ではないが『酔いどれ天使』)
上記と似ているが、貧しいことそのものよりも貧富の差に対する憤りによる犯行。『天国と地獄』
政治と巨大な権力。『悪い奴ほどよく眠る』
大きな少年犯罪が起きた時などに「少年法」についてよく語られること。「貧困故に罪を犯した時代の法律が、そのまま現在で通用するのか?」
動機無き殺人が横行する現在、黒澤だったらどういう切り取り方をしただろう?
余談だが、社会性を帯びた映画は「時代も国も超えられない」というのが私の持論であり、そういった意味においては、この映画も今では“時代劇”の一つだと私は解釈している。
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