コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 好きだ、(2005/日)

音。間。唇。空。
リア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







印象的だった4つ。

◆ 音

衣擦れ、水道、食器、生活の音。河原の音。風の音。歩く音。街の喧騒。 様々な音がとても印象的。 何故こんなに音が印象的だったのか…今気付いた。ヨースケ(瑛太) が奏でるギター音以外音楽が使われてなかったからだ、確か。 でも、生活の中で聞きなれている音と言うのを映画で使われると、心地良い余韻を残す。最近観た 『ラストデイズ』 にも同じ事が言える。

◆ 間

やたら "間" がある。けれど退屈な "間" とは違い、ユウになってヨースケを想い、考え、時には流れる時間に身を委ね、その "間" と言う "時" をユウ(宮崎あおい , 永作博美) と共に過ごす事のできる "間" 。 だからこそ、泣いてしまったユウ(宮崎あおい , 永作博美) の気持ちがリアルに、手に取るように分かる。

◆ 唇

読唇術のように使われる。ユウ(宮崎あおい) が 「へんたい(変態野郎だったけ?)」 と。ユウ(永作博美) が 「好きだ、」 と。また、ちょっとだけ唇を尖らしてみたり、頬を膨らましたり、宮崎おあい の唇演技が特に良い。とても自然体で可愛くて。

◆ 空

どこまでも開放的な空。「ふぅっ」 と肩の力をおろす時に実際空を見上げるように、時折挿入される。息抜き。

.

加瀬亮 はあれ、一人二役では?私の勘違いかなあ?ユウの姉が事故る前に見た河原に座っていた人物(恐らく亡くした大切な人の錯覚)と、ヨースケ(西島秀俊) を刺した人物と。

気負って頑張ってる風でもなく、女優業に貪欲って感じも全く受けない、いたってマイペースで自然体な空気を醸し出し続ける 宮崎あおい 。凄い。 彼女の名演が 永作博美 に悪影響を及ぼしたように映った。 宮崎あおいが自然体(素)なのか演じてるのか、もう分からないよ位超自然なのに対し、永作博美は時折良い表情やしぐさをするものの、 不自然だなぁと言う印象の方が強く残ってしまった(特に唇)。 宮崎あおいが演じたユウを、永作博美は一生懸命演じよう演じよう(真似よう真似よう)と見受けられ、34歳のユウはとても不自然・創られ演じられた人物、みいたな。 それは仕方の無い事のように思えるけど、引っ掛かってしまったのは残念。

今も昔も傷付くのは怖い。若い頃は恥ずかしい先行、ある程度の年齢を重ねると守りに入ってしまう。けれど 「好き」 って言葉は思春期より今の方が容易く言えちゃったりして。そんな言葉にしない日常を見せ付けられると、心地良くこそばゆい。

06.03.@チネチッタ/06.04.24 記述

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (6 人)DSCH[*] おーい粗茶[*] 夢ギドラ[*] 水那岐[*] tkcrows ペペロンチーノ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。