[コメント] グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)
オレは怪獣にはちょっと五月蝿いヨという怪獣マニアを熱くさせ、これは反米なのだこれは反体制なのだと批評家が喧々囂々。殺戮シーンにスプラッターマニアが狂喜し、ロリコンが制服泥まみれ少女に萌える。
う〜ん、歴史に残る作品というものは、大抵様々な角度からの議論に耐え得る作品であるのだなぁ。
そうすると「怪獣映画なのに人間ドラマに時間を割き過ぎ」とか「反体制へのメッセージが弱い」なんて話になってきたり、「今後もどんどん怪獣映画を創ってくれ!!」なんて事にもなる。
全然関係ないけど嘗て手塚治虫は、マンガ百科のインタビューで将来漫画家を目指す子供たちに「色々な事に興味を持って、勉強もして下さい」と言った。(しかしマンガ百科を読んだ筈のよい子達は、大概マンガばかり読んで漫画家になってしまったのだった) ところが将棋の羽生七冠は、将棋に強くなる秘訣を問われて「兎に角只管将棋をする事」と答えた。これは多分大山康晴名人か誰かがやはりプロ棋士を目指す若者に向かって「人生勉強をしなさい」と語った事への反発と思ったのだが、聞いた時は「はっきり言うなぁ」と驚いたものだった。しかし、将棋界に若年の「天才」が多い事は、羽生の発言を裏付けているのだ。
映画創りが総合芸術と言われるのは「画」であり「動き」であり「音楽」であり「舞台」であり「物語」であり「詩」であり… であるからだが、それとは別にいま言った意味でも映画は「手塚治虫」的に総合芸術なのであると思う。ポン=ジュノ、今度はどんな映画を創ってくれますかね?
(因みに手塚治虫は嘗て漫画家になった理由として「本当はアニメ映画を創りたかったが、現実には難しかったので自分一人で出来る漫画家から始めた」と語っております)
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