[コメント] トランスフォーマー(2007/米)
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すごい既視感。
子どもの頃、買ってもらえなかった「超合金マジンガーZ」とか、中学生時代、日曜洋画劇場で見てハマった『ナイトライダー』とか、空間図形の展開図とか、『セル』の牛とか…記憶の洪水。
あの夜中の冷蔵庫みたいな音と共に、解体とか、変形とか、合体とか、くり返されるたびにエクスタシーを感じる。何度見ても飽きない。
マジンガーZの代わりに買い与えられたレゴで、なんとかマジンガーZを再生しようとしたが無理だった、あの頃の仇をとってくれているような錯覚と快感。
かなりコアな理系の友人は、パソコンやテレビなど電化製品を見ると、バラバラに解体し、また組み立てたくなる衝動に駆られることがよくあるらしいが、理系でなくとも、「物」を見ると、その中身を、その仕組みを探求しようとする性みたいなのがあるかもしれない。
文系の私は、解体は得意だが、再生はできない。だからこそのエクスタシーを、この映画に感じた。劇中、クライマックスの戦闘シーンで、子どもが母親に言う「かっこいいね、ママ!」そのままである。
帰り道、新御堂筋423号線(高速みたいな道路)を走っていたら、前後左右の車が今にも transform しそうで、その余韻にドキドキ。
物語なんて、どうでもよかった。そんなもの、端から期待してない。何が何やらよくわからんご都合主義の展開なんて、もう慣れっこでしょう。これはこれで「ありでしょ、あり、あり、あり」と最近妙に不快なマ○クグリドルCMバリに、予想通りの周囲の反応,低評価に対抗してみる。
ただ、バンブルビーが「残りたい」と言ったこと、なぜか全員地球に居残り見守るラストには、不満。
ここ数年、映画の物語として、人間と異種が邂逅し、理解し合い、友情や愛情を育んだ後、別れることが少なくなった(『モンスターズ・インク』でも書いたが)。「もう二度と会えない」ところに、更なるエクスタシーがあるのに。
あっ、物語はどうでもよかったんだ。
「オナニーしてたのね!」 YES!まさに、「海馬体のマスターベーション」。
(余談) wikipedia によると、「“自分の意志を持った生物”という設定になったのは、“人が乗って戦うロボット”という日本ではおなじみの概念にアメリカ人がなじめなかったためという説がある」らしいが、なんとなく納得。最近話題の福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」を思い出す。
考えてみれば、これが機械っぽくなく、本当に生物っぽかったら、戦闘シーンはかなり残虐でグロいな。ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、血がドバーッ、腸やら何やら内臓がドバドバドバーッですから。
それでも、ある意味、『鬼畜大宴会』的エクスタシーなのかしらん。
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