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[コメント] ヘアスプレー(2007/米)

現時点での、暫定2007年度NO.1映画。観ている最中から、パンフとサントラが欲しくてたまらない映画なんて、なかなかないよ。何度でも観たい映画(映画館で見なきゃ、こういうのは)。ちなみに、エベレストより高い山って、何?
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







気がつかなかったが、個人的には「ミュージカル」という分野が好きなのかもしれない。 2001年のmyナンバー1は『ムーラン・ルージュ』、2005年『五線譜のラブレター』、2006年『嫌われ松子の一生』と、結構な割合でミュージカルが占めている(「五線譜」や「松子」を「ミュージカル」に分類していいかは、置いておいて)。

見終わった後も、なんだか自然にニヤニヤしている自分がいた。楽しかった。なんだか、こんなにベタぼめするものイヤなんだけど、さっそくもサントラ買って、車の中で♪グッド・モーニング ボルチモア〜 って歌ってます。

難点をつけるとしたら、リンク役のザック・エフロンぐらいかなぁ。あと、ファイファー親子にも、なにか小さな幸せをあげて欲しかった。

好きなシーン、トラボルタとウォーケンのダンスのカルメンバージョンで大笑いしてました。トラボルタのキャスティングにも驚いたけど、ウォーケンも素敵。トラボルタは『バトルフィールド・アース』でラジー賞いっぱいもらったけど、今度はオスカー?それともラジー?(どっちもアリかも)。で、男優賞?女優賞?気になる所だけど、かつてヒラリー・スワンクが女優賞もらったのと、意味が違うからねぇ。

------以下、追記。

っていうわけで、2回目観ました。3回目も観ました。2日後に4回目も観ました。5回目も観に行くかもしれません(多分いく)

何度観ても楽しいし、ある程度歌詞や台詞を覚えているので、心の中で口ずさみながら、足で自然にリズムをとってます。

パンフとサントラは早速買いました。それ以外に、「オフィシャルガイドブック」なるものが売っていて、思わず買っちゃいました。特典DVD付で¥1575はちょっと高いかもしれないが、後悔はしてません。このDVDには「カラオケ」が付いていて、オープニングの「♪グッドモーニング・ボルチモア」など3曲が、歌詞テロップつきで、「♪Oh,Oh、Oh…」と色が変わってゆくカラオケビデオ仕様になっているのが楽しい。で、出演者や監督・スタッフなどのインタビューがあるので、楽しみにしていたら、なんと「日本語字幕が無い!」…そのガイドブックに、対応する文章が書かれていて、それを参照してくださいだそうです。ちょっと買ったこと後悔したかも。

あと、これ見て思ったのが、アマンダ・バインスって背高いよね。間違いなくシーウィードより高いし、もしかしたら、リンクより高いかも(ちなみにザック・エフロンは178cm、私と同じだ)。

でも、いろいろ面白い情報も多く、とくにジェームス・マーズデンに関して思っていたことを、同じような捉え方をしていたので、ちょっと嬉しかった(『X-men』シリーズや『スーパーマン』、「アリーmyラブ5」で、中途半端にしか活躍できなかったということ、今回のキャスティングがすっごくよかったということ)。監督は、「アリー」に出演する彼を見て、この役を決めたそうで、あながち無駄なキャリアではなかったのかもしれないですね。

4度も見ると、第一印象で感じた以外に、もっといろんな部分が見えてくるので、長くなりますが、もっとこの映画の感想を言わせて下さい。それにあたって、サントラは歌に関して、ほぼ全曲収録しているので、サントラの曲順にざっと並べてみました。(ちなみに曲目を調べようとホームページの「サウンドトラック」の項目を見たら、紹介文のなかで、「アンバー・フォン・タッセル役にミシェル・ファイファー」って書いてあって、大笑いしました。

1.『GOOD MORNING BALTIMORE』…この映画の代表曲のひとつでもあるオープニングのナンバー。大好きな曲です。私もトラックのシーンがお気に入り。ちなみにオリジナル映画の監督でもあるジョン・ウォーターズが、「露出狂」役で出演。

2.『THE NICEST KIDS IN TOWN』…コーニー・コリンズ・ショウの幕開けのナンバー。ジェームズ・マーズデンの「歯キラリン!」の笑顔満開。しかし、股間にタオルって、踊りにくそう。

3.『IT TAKES TWO』…リンクが歌うバラードナンバー。この曲に関しては何の感想も無いです。「相手役の子が下手よね」「まるで棒切れよね」っていうフレーズの方が心に残ってる。この頃のリンクは「カッコつけ」ですね。

4.『(THE LEGEND OF)MISS BALTIMORE CRABS』…ミッシェル・ファイファーの意地悪100%のナンバー。この人、よくこの役引き受けたねと思うけど、意地悪ながらどこか抜けてて、ちょっと気の毒な気もする役ですね。思うに、ニコール・キッドマンがあと10年ぐらいしたら、今のファイファーみたいな感じになるかも。しかし、てっきり「CLUB」かと思って聞いていたら「CRAB(カニ)」だった。なぜにカニ?(審査員の男たちの間を「横歩き」したとか?)→「ミス・ボルチモア蟹」ってことだが、戸田さんの字幕にはカニの文字はどこにもなかったね。

5.『I CAN HEAR THE BELLS』…リンクにパーティーに誘われて、幸せの絶頂(あるいは有頂天)のトレイシーの歌。お気に入りのシーンが2つ。トイレットペーパーのベールとブーケのシーンと、教室の窓からリンクを見下ろしながら、リンクがアンバーとキスしているのをみて、ちょっと顔を曇らせて、後ずさりするところの複雑な感情を表現していた部分。この映画のダンスの振り付けは、振付師だった監督自身がかなり力を入れて指導しているみたいだが、他にも数名のアシスタント振付師がいて、この曲で保健室のナース役のお姉さんも、その一人です。→追記、そのアン・フレッチャーは、その後『幸せになるための27のドレス』や『あなたは私の婿になる』などの映画の監督に。すごいね。

6.『LADIES' CHOICE』…パーティーのステージでリンクが歌うナンバー。この曲ですごく印象的なのが、体育館の中央に引かれた境界線。一本のロープでも、その隔たりは深い。そこをぶち破るトレイシーの活躍が心惹かれる。この曲の最中のマーズデンの「おっ?何だ?、おう、いいねぇ!」っていう顔が好きです。

7.『THE NEW GIRL IN TOWN』…これはアンバーら3人の「ガールポップ」な部分と、「ブラック・デー」でダイナマイツの3人が歌うものの対比が面白い。あと、ラティファの「ちじれヘアーもサラサラ」というテロップを読む部分。

8.『WELCOME TO THE 60's』…これも代表的なナンバーの一つ。サントラには歌の前の、トレイシーの台詞「人と違うことが、いいことなの」や、Mrピンキーとトラボルタの会話「EEE!」とかも含まれていて楽しい。ひとつ疑問が。さっきのダイナマイツがコーラスで登場しているが、ピンキーのお店の3人の従業員役って、同一人物?。で、歌うトラボルタ、しっかり「女性の歌い方」になってるところにすごく感心しました。Mrピンキーことジェリー・スティーラー(ベン・スティーラーのパパ)って、初代版でウィルバーを演じていたんですってね。ってことは、20年ぐらいあとに、またリメイクとかされたら、ウォーケンがMrピンキー役で出たりして。

9.『RUN AND TELL THAT』…シーウィードのナンバー。とってもノリノリの、大好きなナンバーだけど、戸田さんのこの訳詞は嫌いです。教室、廊下、校庭、バスと場所をうまく使ったダンスはこの映画の中で最高にイかしてるかも。ただアイネスのダンス、カマキリみたいだけど、あれはどうなの?

10.『BIG,BLONDE AND BEAUTIFUL』…ラティファのダイナマイト・ソウルナンバー。この曲の中で、トレイシーを迎えにきたエドナが、ご馳走を見て、じわりと心揺れ動くシーンが大好き。「蒸し焼き?」

11.『BIG,BLONDE AND BEAUTIFUL(REPRISE)』…10.の曲をトラボルタとファイファーが掛け合いで歌うナンバー。歌もいいけど、「おとぼけパパ」が最高!あと、白いワンピースに身をくるんだエドナが廊下を歩くときに、よく美女がお色気全開の「えびぞり」のようなポーズをしながら歩くシーンが少し前の映画でよくあったけど、そんな歩き方だったのが、私にはツボでした。

12.『(YOU'RE) TIMELESS TO ME』…トラボルタとウォーケンの心あったまる歌とダンス。前述の「カルメン」もいいけど、その後のタキシードとパールホワイトのドレスのシーンも素敵。ウォーケンがこんな「おちゃめ」な部分があるなんて。さすがキャリアが長いだけのものがあるね。尊敬します。

13.『I KNOW WHERE I'VE BEEN』…デモ行進のときのラティファの歌。実は実は、一回目のこれを見たときに、ラティファの右側に立っていて、コーラスを入れる黒人女性がいるんですが、妙にその「配役の名前も無い女性」が心に残ってしまい、2回目以降、この人がどこに登場しているかをずっと目で追っかけています。何度も見ているならではの楽しみ方です。(ちなみに10.のメイベルのレコードショップのダンスや、16.最後の曲のダンスでも登場。ひょっとしてダイナマイツのメンバー?)

14.『WITHOUT LOVE』…リンクがトレイシーの写真を抱いて歌うナンバー。最初のところで「難があるならリンク」っていってたけど、この曲のリンクは好きです。他のBIG NAMEたちと違い、まだまだこれからキャリアを積んでいく俳優なので、「いいところ」を見つけてゆくのもいいかも。あと、ペニー!。彼女は「最初からフルスロットルのトレイシー」の傍らで、地味ながら、ちょっとづつ少しづつ魅力が増してゆき、この曲で初めて歌に参加し、美しく変化してゆくさまを体現していて、素敵です。あと、「韻」を踏んでいるので(Mondayとサンデー、CenterとEnter、Buy ItとDietとか)楽しいし。

15.『(IT'S)HAIRSPRAY』…ミス・ヘアスプレーコンテストのはじまり。あんたたちスプレーまき過ぎでしょ!っていうのを全て吹き飛ばす、ウォーケン・パパの「女装!」。多分ウォーケンの長いキャリアの中でも、カチューシャして、チェックのスカートと胸にリボンをつけたのは初めてじゃないかな?(髪は、ショップで売ってたウィッグ?)。

16.『YOU CAN'T STOP THE BEAT』…クライマックスの見せ場が、この一曲のなかにすべて盛り込まれた、最高のナンバーです。本当にこれ大好き。このシーンを見るためだけのために、この映画を何度も見たくなります。「敗者」となったベルマとアンバーだけど、二人の会話がスキです。「ママ、もうあきらめましょう」と敵わないことを悟るアンバー。足を痛めながらも、黒人青年とよたよたダンスを合わせてるシーンがあって、ちょっとだけ救いを感じた。しかしベルマはエドナに憎らしい視線を送るだけで、なんか気の毒でもある。

17.『COME SO FAR(GOT SO FAR TO GO)』 18.『COOTIES』 19.『MAMA,I'M A BIG GIRL NOW』…この3曲はエンドクレジットで流れるナンバー。19.は舞台版で、トレイシーとペニーとアンバーが、それぞれのママに対して「もう私、子供じゃないのよ」と歌うナンバーだそうで、これを今作のトレイシーのニッキー・ブロンスキーと、オリジナル版トレイシーのリッキー・レイクと、舞台版のジャレッド・ウィノカーの三人で歌っているそうです。2.のあとの「チキンダンス」の時に、曲だけバックで流れてます。18.はちょっぴり場違いなアップテンポな曲。「ミスヘアスプレーコンテスト」の出場者のPRタイムで、イントロだけ流れてます。そして、17.は泣けてくる。

っと、長々と書いてすみません。あらためて読んでみると、サントラCDのライナノーツみたいになってしまった。まだ語りたりない!って気分だけど、それほど熱くさせるものがこの映画にはあります。

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ってことで10回目突破。『ムーラン・ルージュ』に並ぶ。そこまで見ると、「脇役」の追っかけ!が楽しい。たとえば「ブレンダ」(9ヶ月休むおねえちゃん)に注目して見ると、ベルマに「おなか」を指摘されてるっぽいし、休業宣言のあとも、オーディションのときにも、ガム噛みながら「根性悪そう」に踊ってるし、ダンスパーティまでは出ていたし。後のトレイシー大抜擢を考えると、ブレンダの彼氏がMVPかも。

その次は「ルー・アン」。フィナーレのクライマックスで、中央のラティファのすぐ横のオイシイ場所で踊る。アップもあるし。あと、「シェリー」が結構アンバーとバトルしてる。突き飛ばしたり、アンバーのソロの後ろで顔しかめてたり、逆に「今度詰め物何かしたら、足ふんづけるわよ」と言われたり。「ノリーン、ドリーン」もけっこう地味なドレスだったりで、ショウではあまりかわいくないけど、学校の廊下でトレイシーに突き飛ばされるときの表情がかわいかったり。ショウのメンバーには。コニーも含めてあまり好かれてなさそうなアンバーだけど、「タミー」は比較的仲よさそうだし。男子では「IQ」(学校の廊下でトレイシーに胸倉つかまれながらニヤニヤしてる男の子)がなんだかかわいい?。それに黒人の学生の女の子で、トレイシーとペニー救出の時に一緒にいる黄色い服の女の子がかなりかわいい。

って多分1回見ただけでは気付かなさそうな細かいところの楽しみも発見。気付かなかったけど、エンドロールで初代トレイシーのリッキー・レイクの名前が。残念ながら顔知らないので、何処に出てるんだろうと、次に見たときに注意してみていたら「芸能エージェント役」だった!すごい発見?(ちなみに他のエージェント3人は、監督自身と、音楽プロデューサーの二人だった。

もうひとつ変な発見。登場人物の名前はジョン・ウォーターズ版からだから、この映画限定ではないが、名前のイニシャルが姓と名が同じ登場人物ばかり。(TT)トレイシー・ターンブラット、(PP)ペニー・ピングルトン、(VV)ヴェルマ・フォンタッセル、(LL)リンク・ラーキン、(SS)シーウィード・スタッブス、(MM)モーターマウス・メイベル、(CC)コーニー・コリンズ。家族((E)エドナ、(W)ウィルバー、(A)アンバー)は別イニシャルなのは仕方ないけど(ペニーの母だけ、プルーディー・ピングルトン)、すべて別文字。これはジョン・ウォーターズのこだわり?

(評価:★5)

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