[コメント] インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(2008/米)
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王道のアクション映画として、絶対にハズさない。『レイダース』の頃からそうだが、このシリーズはストーリーありきではなくシーンありきなのだ。だから、ストーリー展開にはいつもかなりの無理があるけど、アクションシーンがずば抜けた興奮度で、さらに笑いも入っているから、純粋なエンターテイメントとして楽しくて仕方がないわけだ。
スピルバーグの演出が過去のシリーズ同様に冴えているのは絶対大きい。冒頭でインディが帽子を拾うところを影で見せて“ひさびさのインディ”への期待感を演出したり、シャイア・ラブーフが息子であることを明かすシーンはタイミングが絶妙だし、ラストシーンでの帽子のエピソードにしてもニヤリとさせられないわけがない。
アクション映画としての醍醐味は今回も十分に詰まっているが、やはりファンサービス的な意味合いが強いと思うので、初見の人が楽しめるかどうかには疑問も残る。シリーズを観ていないと、冒頭の倉庫を観て「もしかして聖櫃!?」とも思わないし、ショーン・コネリーの写真にグッと来たりはしないし、今回の父子の関係が『最後の聖戦』でのコネリーとハリソン・フォードに重なってる(結局「ジュニア」と呼んでいるのだから可笑しい)とか思わないし、冷戦中のソ連を相手にしている時代設定にも何も感じないだろうし…。といったことが矢継ぎ早に出てくるという点では、ファンサービスとしては本当に申し分なくて、かなり楽しめる映画なのである。
ただ、やはりクライマックスの展開はシリーズのファンほど驚くのではなかろうか…。ナスカの地上絵が登場していたなど、伏線はあった。そして、実は宇宙人の存在はこういった探索の中で切っても切れないものでもあろう。とはいえ、アナログなアクション映画の中で露骨にCGを使われると、面食らってしまうのは事実だ。
SF映画の傑作を残しているスピルバーグとルーカスなのだから、いつかやりたかったというのは理解できる。だから、それゆえに「ナシ!」とは言わないが、「えっ!?」と思ったのは事実。そう考えると、シリーズ中では3番手の作品だ。個人的には『魔宮の伝説』よりは濃度が濃かったと思いました。
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