[コメント] 崖の上のポニョ(2008/日)
破格のアニメーション。これに文句つけるのは野暮ってものです。(08.08.13@TOHOシネマズ梅田)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「誰かをいとおしむ心」は、このくそったれの世の中にあって、それが時に悲劇をもたらす場合があるにせよ、その「心」自体は奇跡的に美しいとわたしは思っています。それが、これほど豊かに描かれた映画に、ちまちま文句をつける気にはなれません。たしかに、このおはなしにはいい人しか出てこないし、リサは無茶ばかりするし、なにもかもがご都合主義的にうまく行き過ぎるし、「うまく行くかどうか」というサスペンスすらもないけれど、それが一体なんだと言うのか。作劇のお約束を守ることに、辻褄を合わせることに、どれほどの価値があろうか。ポニョがサンゴ塔を飛び出して大好きな宗介のところへ向かう道のり。ポニョの「想い」そのもののような、渦巻き、のたうつ、黄金の奔流!波の上を走るポニョ、風にはためくスカート、その疾走感。それが生み出す幸福感。その描写のあまりの、目が眩むほどの、まばゆさ。「誰かを恋焦がれる想い」をアニメーションにすると、ああ、そうか、こうなるんだ、と思わずにはいられない、アニメーションに描き得る最大級のロマンの前に、そんな小さなことどもが、いったい、なんだと言うのか。
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