[コメント] スラムドッグ$ミリオネア(2008/英)
テレビ番組「クイズ・ミリオネア」に出演中の青年ジャマール、警察署で尋問されているジャマール、及び子供時代から青年期までの回想の三重構造を取り、構成される。いつ頃からだろう、ストレートに時間を繋がないことで、小手先の興味の持続を狙うことがこんなに流行するようになったのは。
或いは、斜め構図とスローモーションの多用や、スピーディな繋ぎによる、ミュージック・ビデオのような画面の造型も映画らしさを阻害する。
スター俳優がヘリコプターでやってくるシーン。兄にトイレに閉じ込められ、肥溜めに入って出てくる場面の演出にしても、子供を集めて物乞いをさせる組織から、兄とラティカと3人で脱走を謀る夜の操車場のシーンにしても、全然、緊迫感が足りない。ジャマールのラティカへの恋慕、ラティカ側の感情の持続も嘘みたいだが、それは映画なのだから、気にしない。後半、ラティカはギャングのボスの女になっているのだが、このギャングのボスが、バカとしか思えない、ありきたりなキレる男の造型である点が、私はダメだと思う。悪役がバカだと、スリルが生まれないのだ。
エンドクレジット中の駅のホームでのダンスシーンも甘々。音楽はいいので、典型的な音楽に騙されるたぐいの映画。
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