[コメント] 2012(2009/米)
都市の崩壊と家族の逃避行を描く前半部は圧巻のCGとリアルな展開。ただ、後半船に乗り込んでからのダレ方と、無駄な人死にが出るのが残念。
2009.11.29 TOHOシネマズ新居浜にて鑑賞。
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ディザスタームービーの最高峰であろうと期待して見に行った「2012」ではあるが、どっちかというと、ちょいと肩すかしな部分があった。
もちろん都市崩壊のCG表現は圧巻だし、都市崩壊に至る過程と、その途中で巻き起こる諸問題はなかなか良く考えられていた。災害に否応なく巻き込まれる家族がファミリー・アドベンチャー的に描かれる部分は鼻に付いたのだが、全般的にテンポが良く、この調子で最後まで突き進んでもらいたかった。
しかし、話が人類救済の方舟に移ってからは焦点がものすごくミクロになり、スケールダウンしてしまうのが実に残念である。舞台が全地球から方舟数隻に移るのだから当然と言えば当然なのだが。そういう部分を補おうとしてか、無駄な人死にも多く、演出力の貧弱さを感じる。
名作SF小説と、単発映画を比較してしまうのもはばかられるのだが、小松左京の「復活の日」は、最初から最後まで視点が遠ざかったり個人レベルに降りてきたりと、視点レベルの行ったり来たりがすさまじく、巻き起こる出来事も実にリアルだ。
この手のディザスタームービーにおいて、求められるものは、やはり社会に巻き起こる出来事のリアリティだと思う。この監督の旧作『ディ・アフター・トゥモロー』では、そのあたりが結構良く描かれていたのだが、今作では終盤のスケールダウンが惜しい。
また、ここまで長時間かけなくても描けたのかなと言う点も感じられ、少々残念である。
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